過呼吸に自殺未遂…アルコール依存症の祖母を介護したヤングケアラーが発したSOSと、祖母の無関心【著者インタビュー】

マンガ

公開日:2025/10/25

「毒親」、「毒家族」。「毒」としか思えないような親や家族から、一体どうすれば自由になれるだろうか。そのヒントとなるのが、壮絶な実体験を描いたコミックエッセイ『さよなら毒家族 アルコール依存症の祖母の呪縛から解放されて私を取り戻すまで』(ゆめの/KADOKAWA)。

 著者のゆめのさんは、4歳の時に父親が蒸発、母親を自殺で亡くし、母方の祖父母に引き取られた。平穏な日々が訪れるかと思いきや、祖母は重度のアルコール依存症だった。「普通の家族」を夢見ながらも、ゆめのさんは小学生の頃には“ヤングケアラー”となり、暴言を吐く祖母と、世間体を気にする祖父に苦しめられることになる。

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「自分のせいで祖母は壊れたのか」と葛藤しつつも、現在の夫との出会いをきっかけに、ゆめのさんは「おかしいのは自分ではない」と気がつき、自分自身を取り戻していった。彼女はどのように幼少期を過ごし、今、家族にどんな思いを抱いているのか——。お話を伺った。

※この記事はセンシティブな内容を含みます。ご了承の上、お読みください。

——4歳の時にお母さまを自殺で亡くされ、母方の祖父母の家に引き取られたゆめのさん。おばあさまは重度のアルコール依存症でお酒を飲むと、何日も寝込んでしまい、ゆめのさんは小学生の時には“ ヤングケアラー”にならざるを得ませんでした。同世代の友人との生活環境の違いを感じた出来事はありますか。

ゆめのさん(以下、ゆめの):授業参観や運動会に祖母が来てくれなかったり、遠足の弁当を自分で詰めて準備したりしたときは、「普通の親がいる家ならこんなふうにはならないんだろうな」と思い、みじめな気持ちになっていました。

——本書では、アルコール依存症のおばあさまと暮らしてきたゆめのさんの壮絶な日々が綴られています。特に、小学生の頃、ゆめのさんがストレスから過呼吸になってしまった場面では、胸が締め付けられる思いがしました。その後も摂食障害や強迫性障害など、さまざまな心身のSOSサインが現れていたように思いますが、ゆめのさん自身が「これは危険だ」と強く感じた瞬間があれば、教えてください。

ゆめの:初めて過呼吸になったときは、過呼吸というものを知らなかったので、とにかく胸の辺りが痛くて死んでしまうかもしれないと怖かったです。初めて自殺未遂をしたときも、「このままだといつか本当に死んでしまうかもしれない」と怖くなったことを覚えています。

——体調を崩されたゆめのさんに対して、おばあさまはどんな反応だったのでしょうか。

ゆめの:私自身は祖母がアルコール依存症だったときも、糖尿病になったときも、ずっと心配して世話をしていたのに、祖母は私のことを全然心配してくれませんでした。親身になってくれないことに、すごく悲しくなったのを覚えています。

取材・文=アサトーミナミ

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