「自分は、親の所有物ではない」アルコール依存症の祖母に苦しめられた女性が語る、毒親・毒家族の呪縛を超えるための考えかた【著者インタビュー】

マンガ

公開日:2025/10/31

「毒親」、「毒家族」。「毒」としか思えないような親や家族から、一体どうすれば自由になれるだろうか。そのヒントとなるのが、壮絶な実体験を描いたコミックエッセイ『さよなら毒家族 アルコール依存症の祖母の呪縛から解放されて私を取り戻すまで』(ゆめの/KADOKAWA)。

 著者のゆめのさんは、4歳の時に父親が蒸発、母親を自殺で亡くし、母方の祖父母に引き取られた。平穏な日々が訪れるかと思いきや、祖母は重度のアルコール依存症だった。「普通の家族」を夢見ながらも、ゆめのさんは小学生の頃には“ヤングケアラー”となり、暴言を吐く祖母と、世間体を気にする祖父に苦しめられることになる。

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「自分のせいで祖母は壊れたのか」と葛藤しつつも、現在の夫との出会いをきっかけに、ゆめのさんは「おかしいのは自分ではない」と気がつき、自分自身を取り戻していった。彼女はどのように幼少期を過ごし、今、家族にどんな思いを抱いているのか——。お話を伺った。

※この記事はセンシティブな内容を含みます。ご了承の上、お読みください。

——本書には、毒親・毒家族に悩む人にとって、その呪縛を断ち切るためのヒントにあふれていると感じます。一方で、家族を「毒」と認識できないまま、そのつながりに苦しんでいる人も多いのではないかと感じます。そんな家族とのつながりに苦しむ人たちに、最初の一歩として何を伝えたいですか。

ゆめのさん(以下、ゆめの):「親といえど『他人』」「自分は、親の所有物ではない」「自分は自分の人生を生きていい」——そんな理解が大切なのではないでしょうか。特に親を拒絶することに罪悪感を覚える人、「親や家族を大切にしなきゃいけない」という思いに縛られている人は、優しい人だと思うので、そういう人こそ「自分優先」ということをしっかり考えることが大事だと思います。

——毒親・毒家族に悩む人が、「自分を取り戻す」ために意識すべきことは何でしょうか。

ゆめの:やはり「自分のやりたいことをやっていい」ということだと思います。「自分の人生は自分のもの」という気持ちを大事にすること。自分のやりたいことや気持ちを無視しないこと。毒親に悩む人は、我慢しがちな性格な人が多いと思うので、我慢しないで自分の好きなことを意識することが大切だと思います。

——最後に、読者へ伝えたいメッセージをお願いします。

ゆめの:この作品は、特に毒親と物理的に絶縁しても、精神的に絶縁できず苦しんでいるかたにぜひ読んでもらいたいです。自分の気持ちを優先して生きることに、罪悪感を覚えないでいいと伝えられればと思います。

取材・文=アサトーミナミ

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