備品は保育士の自腹、絵本は傷むから子どもに触らせない… 実体験から生まれた、理不尽すぎるモラハラ園長を描いた漫画に反響!【著者インタビュー】

マンガ

公開日:2025/11/4

 働くママやパパにとって必要不可欠な保育園。それなのに、園内がトラブル続きだったなら…。

 経費を私物化して約15万円の椅子を自分用に購入、アレルギーを起こしてつらそうにしている園児をガン無視。そんなモラハラ園長による信じられないエピソードを描いた漫画『保育園トラブル モラハラ園長と闘います』(たぷりく/KADOKAWA)。

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 園長のほかにも、園児を突き飛ばす保育士や、延長保育料を踏み倒そうとする保護者など、理不尽な人たち起こすさまざまなトラブルが登場します。

 本作のエピソードは、元保育士でイラストレーターの作者・たぷりくさんの実体験やフォロワーからの投稿を元に描かれたとのこと。その制作の裏側や、保育園の実態について聞きました。

——漫画に登場する園長は、子どもたちのことをまったく考えていないようで、保育士の意見にものらりくらりと対応するばかり。自分勝手だし非常識で、周りの保育士の苦労が伝わってきました…。

たぷりくさん(以下、たぷりく):はい。まさに私が勤めていたところの園長が、この意地悪園長のモデルです。一部の保育園にはこういう状況があることを知ってほしくて描きました。似たようなことをしている園長や保育士がいれば、自分を省みるきっかけになればと思います。

——ご自身の体験がもとになっているんですね。そのときの園長は、どのような人だったのでしょうか?

たぷりく:その時の園長は経営ばかり気にしている様子で、子ども達が遊ぶおもちゃや絵本もなく、それを収納するものも保育士が自腹で準備していました。園が購入した絵本は、傷むから子どもに触らせず読み聞かせにだけ使うように指示されていましたし、絵筆や制作物の材料なども自腹で購入していました。

 何か言っても「こうすればいいじゃないの」と解決策にならないようなことを言われるので、無駄な時間を使ってストレス溜めるくらいなら、と自分たちで用意していました。当時は今よりもさらに安い給料で、かつ自腹のもの多いので、貯金もできないからと辞める先生もいましたね。

——ブログでも「保育園トラブル いじわる園長編」を公開されていますが、どんな反響がありましたか?

たぷりく:「こんな園長がいるなら、子どもを預けたくない」「子どもを巻き込むなんて、あとで悪影響がありそう」などのコメントがありました。保育に携わる、ましてや園長がこういう人物だったことがショックだったようですね。

——たぷりくさんが、保育園の漫画を描き続ける理由とは?

たぷりく:Instagramで漫画を描き始めた頃は、まだ保育園の漫画をあまり見かけたことがなかったので、元保育士として描いてみようと思いました。フォロワーさんたちに聞くと、「保育園の漫画を読みたい」という声が多いので、興味を持つ人が多い題材なのかなと思います。

取材・文=吉田あき

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