お迎えに遅れ、延長料金を請求されて逆ギレする父親。元保育士が語る“ちょっと困った”保護者たち【著者インタビュー】

マンガ

公開日:2025/11/8

 働くママやパパにとって必要不可欠な保育園。それなのに、園内がトラブル続きだったなら…。

 経費を私物化して約15万円の椅子を自分用に購入、アレルギーを起こしてつらそうにしている園児をガン無視。そんなモラハラ園長による信じられないエピソードを描いた漫画『保育園トラブル モラハラ園長と闘います』(たぷりく/KADOKAWA)。

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 園長のほかにも、園児を突き飛ばす保育士や、延長保育料を踏み倒そうとする保護者など、理不尽な人たち起こすさまざまなトラブルが登場します。

 本作のエピソードは、元保育士でイラストレーターの作者・たぷりくさんの実体験やフォロワーからの投稿を元に描かれたとのこと。その制作の裏側や、保育園の実態について聞きました。

——延長料金を請求されて逆ギレする父親のエピソードは、すごく怖いと感じました。理不尽な保護者がいても保育士は強く出られず、つらそうです。保護者との関係ではどんなことに気を付けていましたか?

たぷりくさん(以下、たぷりく):普段からお子さんのいいところを褒めたり、おうちでの様子を聞いて成長を共有したりして、保護者と信頼関係を築くようにしていました。情緒が不安定な保護者の方もいたので、特別な対応が必要だと感じたら、クラスの担当に限らず、信頼関係のある保育士が出ていって対応することもありました。

——“ちょっと困った”保護者をあげるなら、どんなタイプですか?

たぷりく:個人的には、お休みや遅刻の連絡がない保護者には困っていました。子どもの所在がわからなくて起こった痛ましい事故が過去に何件もあったように、登園人数の確認は重要事項です。

 連絡がないと、園で確認しなければならないので、確認の電話や園内での伝達(給食の数の変更等)に手を取られ、保育に支障が出てしまうんです。そうすると、子どもたちが怪我をするなど安全面にも影響が出やすくなるので、きちんと連絡をしてもらいたいなと思っていました。今はアプリなどで管理しやすくなっているので、その点では安心かと思います。

——ちょっとした“うっかり”で、かなりの支障が出ているんですね…。保護者として気を付けたいと思います。そんな中でも、保護者との「いい思い出」はありますか?

たぷりく:私の退職時に泣いてくださったお母さんがいました。豪快でサバサバして、強いイメージがあるお母さんだったので、涙を流して寂しがってくださったときは驚いたし、嬉しかったですね。

取材・文=吉田あき

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