「生まれてたった数年の子どもなのに…」保育士が園児を突き飛ばし叱責、いったい何が?【著者インタビュー】
公開日:2025/11/9

働くママやパパにとって必要不可欠な保育園。それなのに、園内がトラブル続きだったなら…。
経費を私物化して約15万円の椅子を自分用に購入、アレルギーを起こしてつらそうにしている園児をガン無視。そんなモラハラ園長による信じられないエピソードを描いた漫画『保育園トラブル モラハラ園長と闘います』(たぷりく/KADOKAWA)。
園長のほかにも、園児を突き飛ばす保育士や、延長保育料を踏み倒そうとする保護者など、理不尽な人たち起こすさまざまなトラブルが登場します。
本作のエピソードは、元保育士でイラストレーターの作者・たぷりくさんの実体験やフォロワーからの投稿を元に描かれたとのこと。その制作の裏側や、保育園の実態について聞きました。
——「(歌の時間に)ちゃんと歌っていない」という理由で子どもを突き飛ばしていた先生のエピソードを見てゾッとしました…。
たぷりくさん(以下、たぷりく):私が勤めてきた複数の園では、こういったことはありませんでした。そうそうあることだとは思いませんが、残念ながら実際にあったという投稿があって漫画にしたエピソードです。
フォロワーさんが子どもさんのお迎えに行った時に目にしたことで、歌を歌っていなかっただけで保育士に手を出されて叱責される姿を見て、生まれてたった数年の子どもがそんなふうに怒られないといけないことなのか、と、大変ショックを受けたとおっしゃっていました。
——もちろん、保育士として「暴力はいけない」という倫理観もしっかり学ばれているとは思いますが、どうしたらこのような事態を防げると思いますか?
たぷりく:本来ならば、それぞれ個人が持っているはずの倫理観だと思いますが、保育教育で身につけるのはもちろん、地域によっては定期的に保育士が人権教育について研修を受けて子どもたちの人権を守る取り組みをしているようです。
思い通りにならなかったら相手に暴力を振るって伝える、と子どもに教えたい人はいないはず。子どもたちが小さな社会生活の中で自分を主張すること、相手を尊重することと、その葛藤などを日々の保育で伝えたり経験したりできるようにしています。
取材・文=吉田あき
