「過労で体調を崩してから、めまい持ちに…」元保育士の作者が語る保育園の現状とは?【著者インタビュー】

マンガ

公開日:2025/11/10

 働くママやパパにとって必要不可欠な保育園。それなのに、園内がトラブル続きだったなら…。

 経費を私物化して約15万円の椅子を自分用に購入、アレルギーを起こしてつらそうにしている園児をガン無視。そんなモラハラ園長による信じられないエピソードを描いた漫画『保育園トラブル モラハラ園長と闘います』(たぷりく/KADOKAWA)。

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 園長のほかにも、園児を突き飛ばす保育士や、延長保育料を踏み倒そうとする保護者など、理不尽な人たち起こすさまざまなトラブルが登場します。

 本作のエピソードは、元保育士でイラストレーターの作者・たぷりくさんの実体験やフォロワーからの投稿を元に描かれたとのこと。その制作の裏側や、保育園の実態について聞きました。

——本作の主人公は「怒って子どもを動かすことは苦手」と話し、保育士として子どもたちにうまく寄り添っていますよね。たぷりくさんが保育士の頃は、子どもと良好な関係を築くためにどんな工夫をされていましたか?

たぷりくさん(以下、たぷりく):私も怒ることが苦手でした。担任だと大人数の子どもたちをまとめて生活しないといけないので、なかなかそうも言ってはいられませんでしたが…。担任ではなくフリーでいろんなクラスに入って補助をした際に、子どもたちの気持ちにより丁寧に寄り添えると感じたので、そちらのほうが好きだなと実感しました。

 叱るという行動の根底には子どもたちとの信頼関係が必要なので、まずはたくさん褒めること、遊んで楽しさを共有することを日頃から大切にして、信頼関係を築くことに努めていました。

——たぷりくさんが保育士をやめたのは、どんな理由だったのでしょうか?

たぷりく:過労で体調を崩してから、体調が安定しないのと、めまい持ちになってしまったのが理由です。常に気を張って子どもたちを見ていないといけないのですが、咄嗟に動けそうになく、これでは子どもたちの怪我を防げないと感じました。

——主人公がめまいで倒れていたのは、たぷりくさんご自身の体験だったんですね。ご自身のお子さんも保育園に通わせていたそうですが、利用する立場としてはどんな保育園が理想だと思いますか?

たぷりく:保育園で働いてみて実感したのは、子どもたちはもちろん、保育士自身も一緒に楽しみながら過ごしている保育園が理想的だということでした。

 子育てでも、大人が楽しそうだと、子どもたちも自然と楽しくなりますよね。保育園もそれと同じで、保育士が忙しくてイライラしていたら、自然と子どもたちにもケンカや怪我のトラブルが増えるのでは…と個人的に思っています。

取材・文=吉田あき

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