自分の人権を無視してない? 「セルフブラック企業みたいなことやめよう」ねこが伝える“ラクになる休み方”の漫画に反響【著者インタビュー】

マンガ

公開日:2025/11/8

「何もしないと罪悪感を覚えてしまう」「定時で帰るのが気まずい」「相手に気を遣いすぎてしまう」――当てはまる人は、きっと毎日へとへとなのでは? あなたに今必要なのは「絶対に休む」「自分に親切にする」という覚悟なのかもしれません。

ニャンだかラクになる休み方』(Jam:著、名越康文:監修/スターツ出版)は、休み下手の人たちに、気持ちの切り替え方やアイディアを教えてくれる1冊。ハッと我に返る言葉ばかりで、読み終える頃には「休めない」が「休もう」に変わっているはずです。

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著者は『多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。』(サンクチュアリ出版)がX(旧Twitter)で累計50万以上リポストされたJamさん。自身も休めないタイプだったというJamさんに、本書にこめた想いを聞きました。

――【何もしないと罪悪感がある】というページがあります。休みたいのに休めないタイプのねこが「セルフブラック企業みたいなことやめよう」と指摘されていて、ドキッとしました。こういうタイプ、意外と多いような気がします。

Jamさん(以下、Jam):私もそうですが、就職氷河期世代で特に多いと思います。無茶しても報われない時期を長く過ごしていると、おのずと自己肯定感が下がっちゃうのかなって。頑張っても報われないのが当たり前になるというか。

――会社に労働基準法があるのと同じように、自分の中にも守らないといけない人権がある、という内容ですね。

Jam:私の体験が元になっています。休めないタイプで、休んでいいときまで休まずに仕事をするので、周りから「ブラック企業だね」って言われて。その度に「セルフブラック企業だね」と答えていました。休めないタイプって、休むことに抵抗があって、言い訳のように休んではいけない理由を探してしまう。だから、自分の中に就業規則を作るくらいの気持ちで、「何があっても休む」と覚悟することが必要なんです。

――「休んでもいい」むしろ本来は「休まなければいけない」。自己肯定感の低さに邪魔されて、そんな当たり前のことに気づけなかった人の心に刺さりそうな言葉です。Jamさんはどんなきっかけで気づいたんですか?

Jam:ゲーム開発の仕事をしていた頃です。仕事を始めたばかりのときに、多少は無茶しないと軌道に乗らないと思い、セルフブラックでもいいやと思いながら仕事をしていました。でも、体を壊してからやっと気づきました。本当に体を壊すと、物理的に動けなくなるんです。結局、それで仕事に穴を開けてしまって。それからは、仕事が止まらないようにするためにも、「休むのも仕事のうち」と考えるようになりました。

――休むことも自己管理のひとつ。つい、休むと誰かに迷惑をかけると考えてしまいますが、そうではないんですね。

Jam:休みを取ってきちんと健康管理をしていれば、誰かに仕事を引き継ぐことだって、出来たと思うんです。いきなり倒れて穴を開けるのがいちばん迷惑ですよね。だったら、普段からちゃんと休みを取るのがいいと思いました。

――「休みを取ります」と言いやすい上司や職場だといいですよね。

Jam:会社のために働きすぎて倒れて、そのまま亡くなったりしたら…仕事だけではなく人生が止まってしまうので。休みを取りたいと言えない会社なら、転職を視野に入れるのもありだと思います。

取材・文=吉田あき

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