定時で帰るのが気まずい… 「休み下手さん」は自分ではなく周りの問題点に目を向けるべき【著者インタビュー】

マンガ

公開日:2025/11/15

「何もしないと罪悪感を覚えてしまう」「定時で帰るのが気まずい」「相手に気を遣いすぎてしまう」――当てはまる人は、きっと毎日へとへとなのでは? あなたに今必要なのは「絶対に休む」「自分に親切にする」という覚悟なのかもしれません。

ニャンだかラクになる休み方』(Jam:著、名越康文:監修/スターツ出版)は、休み下手の人たちに、気持ちの切り替え方やアイディアを教えてくれる1冊。ハッと我に返る言葉ばかりで、読み終える頃には「休めない」が「休もう」に変わっているはずです。

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著者は『多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。』(サンクチュアリ出版)がX(旧Twitter)で累計50万以上リポストされたJamさん。自身も休めないタイプだったというJamさんに、本書にこめた想いを聞きました。

――自己肯定感が低い人や休み下手さんにとって「定時で帰るのが気まずい」問題は、かなり深刻だと思います。でも、定時で帰ろうとすると「帰るんだ?」と言ってくる人が結構いるんですよね…。

Jamさん(以下、Jam):私もゲーム開発の会社に勤めているときにそうでした。定時で帰るのが気まずかったし、毎日のように徹夜する日があって、2週間くらい会社に泊まり込んだこともあります。寝袋で仮眠を取るんですけど、2時間から4時間くらいしか眠れなくて。「定時で帰るんだ?」って聞いてくる人は、私の職場の例で言うと、みんな「好きでやっている仕事」なのに「なんで? そんなに情熱がないの?」っていう意味で言ってきたのだと思います。

――技術職やエンタメ業界では多い悩みでしょうね。

Jam:でも、「帰るんだ?」と言った人に「仕事は終らせたけど、帰っちゃダメですか?」と返したら、何も言葉が戻ってこなかったので、帰っちゃいました。私だって好きな仕事なので、できれば残業したいんです。でも仕事は終っていたし、無理すれば体も壊すので、それ以上残業しようとする自分に、自分でブレーキをかけていました。

――残業をするより、周りに合わせて残業しようとする自分にブレーキをかけるのですね。

Jam:「みんな残っている」と言われると、なんとなく、自分も帰っちゃいけないような気持ちになると思います。でも、自主残業の強要は労働基準法で違反。だから、「帰るんだ?」と言ってくる人は、「一緒に罰則を受けよう」って誘っているようなもので、学校で不良に「お前だけタバコ吸わないのかよ」と言われ、吸ってしまえば、バレたときに罰則を受けることになる、それと同じです。ストレートに、「労働基準法を違反すると、会社に迷惑がかかるから、私は守ります」って言っちゃってもいいのかなと。

――最近の傾向でよくあるのは、残業が禁止されているが故に仕事が終わらず、持ち帰って家で残業をする人が増えていることでしょうか。この場合、自分にどうやってブレーキをかけたら…?

Jam:タスクが多すぎるのかもしれませんね。就業時間内で終わらせられるような仕事を回すのは、どちらかというと上司のスキルだと思います。仕事が終らず持ち帰って家で残業する部下が多いなら、それは、会社や上の人が悪いのではないでしょうか。無茶な体制に合わせるとそれが当たり前になって、ずっと続いてしまうので、無茶を強いられていることをみんなで示していけば、体制が変わるかもしれません。

取材・文=吉田あき

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