真夜中になるとねこたちが集う“ねこ喫茶”に。“日常の中の小さな幸せ”を描いた「ねこ×グルメ」漫画が誕生【著者インタビュー】

マンガ

公開日:2025/11/14

 ねこと人間の絆を表現したねこ漫画にはほっこりさせられるもの。中でも、ねこが持つ温かみを柔らかなイラストで巧みに表現し、読者の心を癒やしているのが、漫画家・ねこまき(ミューズワーク)さん。今年10周年を迎えた代表作『ねことじいちゃん』(KADOKAWA)には、妻に先立たれた大吉じいさんと愛猫のタマの穏やかな暮らしが描かれており、目尻が下がります。

 そんなねこまきさんが手掛けたのが、「ねこ×グルメ」をテーマにしたねこ漫画『深夜3時のくろねこ喫茶』(スターツ出版)。ねこまきさんの新境地とも言える本作の舞台は、ねこが集い、悩める人間が迷い込むこともある“真夜中限定のくろねこ喫茶”。

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 かわいらしいねこの姿に癒やされながら、日常の中で感じるモヤモヤを軽くしてくれる本作はどんな経緯で誕生し、ねこまきさんはどんな想いを込めたのでしょうか。

――本作は、雑誌『OZmagazine』とWebサイト「OZmall」が新創刊したコミックエッセイのレーベル「OZcomics」の第1弾ですね。制作の依頼を受けた時、どんなことを思われましたか。

ねこまきさん(以下、ねこまき):とても光栄でした! でも、同時に『OZmagazine』さんのようなオシャレな雑誌の関連レーベルからお話をいただいて、「私の絵柄で大丈夫かな…?」と少し不安にもなりました。

 これまで私は年配の方や人生を重ねたキャラクターを描くことが多く、若い世代の空気感にあまり自信がなかったので…。それでも「描いてみたい」という気持ちのほうが大きく、思い切ってお受けしたんです。

――なぜ、「ねこ×グルメ漫画」をテーマにされたのでしょうか。

ねこまき:テーマは、OZcomics編集部さんからご提案いただきました。『OZmagazine』は、“日常の中の小さな幸せ”を丁寧に切り取るライフスタイル誌です。私にとっては、ねこも食も“日常の小さな幸せ”を象徴する存在なので、テーマをご提案いただいた時、「絶対に描きたい!」と思いました。

――たしかに食もねこも幸せを感じられる象徴ですね! そういえば、『ねことじいちゃん』や『トラとミケ』といった、ねこまきさんの他の作品にも「食」が描かれていますね。

ねこまき:正直に言うと、シンプルに私は食べることが好きなんです(笑)。食とねこ、絵を描くという好きなこと全てが揃っているので、「私の仕事は、なんて素敵なんだろう!」と、しみじみ感じています。

取材・文=古川諭香

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