飼い主を“下僕”のように扱う振る舞いすらも、たまらなくかわいくて愛おしい――10年以上「ねこ漫画」を描き続けた、ねこまきさんが語るねこの魅力【著者インタビュー】
公開日:2025/11/22

ねこと人間の絆を表現したねこ漫画にはほっこりさせられるもの。中でも、ねこが持つ温かみを柔らかなイラストで巧みに表現し、読者の心を癒やしているのが、漫画家・ねこまき(ミューズワーク)さん。今年10周年を迎えた代表作『ねことじいちゃん』(KADOKAWA)には、妻に先立たれた大吉じいさんと愛猫のタマの穏やかな暮らしが描かれており、目尻が下がります。
そんなねこまきさんが手掛けたのが、「ねこ×グルメ」をテーマにしたねこ漫画『深夜3時のくろねこ喫茶』(スターツ出版)。ねこまきさんの新境地とも言える本作の舞台は、ねこが集い、悩める人間が迷い込むこともある“真夜中限定のくろねこ喫茶”。
かわいらしいねこの姿に癒やされながら、日常の中で感じるモヤモヤを軽くしてくれる本作はどんな経緯で誕生し、ねこまきさんはどんな想いを込めたのでしょうか。
――10年以上、ねこという生き物を描いてきたねこまきさんが思う“ねこの魅力”を教えてください。
ねこまきさん(以下、ねこまき):ただ、そこにいてくれること。それだけで、全てが“ねこの魅力”のかたまりです。
――それはねこまきさんだからこそ言える、深い言葉ですね!
ねこまき:飼い主を“下僕”としか思っていないような身勝手でわがままな振る舞いすらも、たまらなくかわいくて愛おしいんですよね。そんな“ねこという生き物の魅力”を、読んでくださる方と共有できたらうれしいなと思いながら、いつもねこを描いています。
――ねこまきさんが思う「ねこを描くことの醍醐味」を教えてください。
ねこまき:「自分のねこが、もうたまらなくかわいくて愛おしい」という気持ちを誰かと分かち合えること。そして、同時に失う辛さも誰かに分かってもらえることが、ねこを描く一番の醍醐味だと感じています。
取材・文=古川諭香
