特になんとも思っていなかった人が「推し」になる瞬間! ギャップ萌えを詰め込んだオムニバスラブストーリー『私の推し男子紹介します』【書評】
公開日:2025/11/15

推しを見つけ出す方法は人それぞれだが、それまでなんとも思っていなかったのに、その人の知らない一面を見てしまったことで推しになってしまった、という経験はないだろうか。『私の推し男子紹介します』(真白ばに/KADOKAWA)は、そんな「実は」を持つ男性キャラクターが次々と登場するオムニバス形式のラブストーリー集で、SNSで大きな話題を呼んだ人気作である。
各話はそれぞれ、キャラクターもストーリーも異なるが、共通するのは「ギャップの魅力」。几帳面で真面目な優等生だと思っていたのに実は舌ピアスをしている男子や、いつもスーツを完璧に着こなしていのに家ではゆるい部屋着姿ですごしている男性などが登場し、普段の印象とは違う表情や仕草を見てしまった時に思わずトキメキを覚えてしまう、ギャップ萌えが生まれる瞬間がギュッと詰まっているのだ。
さらに「Another Story」という各エピソードの後日談が収録されており、気になるその後を読めるのも嬉しいポイントで、どの話も甘酸っぱく、どこか切ない展開を見てさらに胸が高鳴る。また、男性視点のエピソードもあり、彼らの揺れる気持ちもわかってしまうという、至れり尽くせりの内容だ。
ひとつのエピソードが数ページで構成されているためにテンポよく読めるし、各ストーリーに「ニセ優等生男子」「可愛い系男子」といったタイプごとにわかりやすいタイトルがつけられているため、目次を見て気になったタイプから読めるのも魅力。
日常に少しトキメキがほしい時、疲れた心を癒やしたい時にページを開けば、個性豊かな推し男子たちが迎えてくれる。読み終える頃には、あなたの新しい推しタイプが見つかっているかもしれない。
文=ネゴト / fumi
