見た目は猫、中身はダメな中年のおっさん――『化け猫あんずちゃん』が描く、生きるということ【書評】

レビュー

 10年ほど前、実家の庭にふらりと猫が現れた。寺である我が家で「寺猫」として暮らしたその子には、「長生きして化け猫になってよ」とよく話しかけたものだ。そんな記憶を呼び起こすような一冊が、『化け猫あんず…

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