飼い主のお腹の上で2時間ぬくぬく。警戒心を解除した甘えん坊なうさぎとののんびり暮らし【書評】
公開日:2025/12/9

『うちのうさぎは今日ものんびり』(赤血球/KADOKAWA)は、SNSで話題の飼いうさぎ・うにまると過ごす日常をやさしいタッチで描いたコミックエッセイ。ページをめくるたびに心がほぐれていくような、やさしさに満ちた作品だ。
まるでぬいぐるみのようなふわふわの毛並みとまんまるの瞳が愛らしい、うさぎのうにまる。飼い主のお腹の上から2時間も降りなかったり、目が合うと顔をくっつけて甘えたり、帰宅時にはお出迎えしてくれたり。自由気ままで、まさにマイペースそのもの。のんびりと過ごすうにまるの姿には、見ているだけで心がほどけていくような癒やしの空気が感じられる。
本作の見どころは、人懐っこく甘えん坊なうさぎの愛らしさがたっぷり堪能できるところだろう。一般的に、警戒心が強く、臆病な性質を持つ動物として知られているうさぎ。特に野生のうさぎは常に外敵から身を守る必要があるため、わずかな刺激にも敏感に反応し、すぐに逃げる習性がある。
しかし、うにまるのように安全な環境で大切に育てられたうさぎは、人の手に撫でられるのを喜んで受け入れたり、飼い主の後をついて歩いたりと、まるで家族の一員のように懐く姿を見せることも。環境や接し方によって性格が大きく変化するのも、あまり知られていないうさぎの魅力のひとつだ。
とはいえ、うさぎは犬や猫と比べて非常に繊細な動物であることもまた事実。室内で飼育する場合、うさぎは掃除機の音やドアの開閉音、人の急な動きなどに強いストレスを感じやすいという。本書でも、うにまるが眠っている最中に突然部屋に入ってきた家族に驚き、飛び起きる姿が描かれている。うさぎの前では静かに動き、驚かせないようやさしく声をかけることが大切だ。うさぎが安心して過ごせる環境作りや日々の接し方に関するヒントが詰まった一冊だ。
