猫との暮らしで発見した可笑しさと尊さ。そんな日常を描いた漫画に共感多数!【漫画家インタビュー】

マンガ

公開日:2025/11/26

 柔らかいタッチと穏やかな空気感で描かれる、猫と人間の小さな日常。作者が飼っていたマンチカンの「とろみ」との暮らしをきっかけに生まれた心温まる作品だ。

 猫が喋ったり、一緒に買物に行ったりするなど、一見するとファンタジーのようだが、あくまでこれは表現方法のひとつとして、猫との暮らしを知っている人なら誰もが共感するエピソードが満載。

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 X(旧Twitter)やnoteで日々作品を更新しており、2万以上の「いいね」を獲得するなど、多くの読者に癒やしを届けている。

 そんな猫の漫画の作者・かわさきです。(@Kawasakipict)さんに、創作のきっかけやこだわりについて聞いた。

猫らしさをしっかり描くことにこだわる

ーー猫の漫画を創作したきっかけや理由をお教えください。

 11年前に猫の里親になりました。一緒に暮らし始めて、猫の本当の可愛さ、可笑しさ、尊さを実感したのがきっかけです。今年亡くなってしまいましたが、マンチカンの「とろみ」が猫の世界の扉を開いてくれました。

ーー描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントはどこですか?

 デフォルメしてもただのキャラクターにならないように、耳やお腹、手足やお尻など、ちょっとした仕草だったり、猫が猫らしく生きている様を忘れないように心がけています。

ーー特に気に入っているエピソードがあれば教えてください。

 好き嫌いが激しかった「とろみ」のおやつを一緒に買いに行くという話がお気に入りです。多くの方に見てもらえて、猫飼いのみなさんも共通の悩みがあるんだな、かわいいなと思いました。

ーーゆるりとした言葉と優しいイラストが特徴的ですが、特にこだわっている点はどこですか?

 ファンタジーの要素はありますが、日常にありそうな、あってもおかしくなさそうな話を意識しています。

ーー猫と暮らす日々で印象に残っていることはなんですか? また、その出来事からどのようにお話のアイデアを得ているのでしょうか。

 特にこれといった出来事ではないですが、にゃーにゃーと何かを要求してくることがあり、おやつをあげたり、おもちゃで遊んだり、体調が悪いのかと病院に連れて行ったり。冬にお布団でトンネルを作ると、その中にスルスルと入っていったり。

 その要求にちゃんと応えてあげられていたか分からないところに、言葉にできない尊さと可笑しさがあって、ずっとその部分を描いているのかもしれません。

ーー本作を通じて描きたいこと、伝えたいことはどんなことですか。

 猫が当たり前の顔をして普通に人間と生活をしている面白さを、少しでも描けたらと思っています。

 理不尽なことやつらいことがある中でも、自分の漫画を見てクスッと笑ってもらえたり、共感してもらえたり。例えば「明日は月曜だけど、少し気持ちが楽になったな」と思ってもらえたら嬉しいです。

ーー今後描いてみたいエピソードはありますか。

 今はまだちゃんと向き合えていないのですが、猫のイロハを教えてくれた「とろみ」の話を描けたらいいなと思っています。

ーー今後の展望や目標をお教えください。

 いつかまた、猫や犬、もしくは違う生き物を家族に迎えられたらいいなと思っています。

ーー作品を楽しみにしている読者の方々へメッセージをお願いします。

 いつも見てくださってありがとうございます。皆様のコメントもとても嬉しく拝見しています。SNSで見させてもらっている猫さんたちは、勝手に親戚のおじさん気分で見ています。これからもよろしくお願いいたします。

取材・文=ネゴト / fumi

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