20年超のひとり暮らし大ベテランが、退屈やマンネリを笑いで吹き飛ばす! 素晴らしきひとり暮らし生活のネタが満載!【書評】

マンガ

公開日:2025/12/13

 ひとり暮らし歴20年を超えるイラストレーター・カマタミワ氏によるコミックエッセイ、ひとり暮らしシリーズの第4弾が『ひとりぐらしこそ我が人生』(カマタミワ/KADOKAWA)。大ベテランがさらに極めたひとり暮らしの様子は、本書でもお役立ちネタと笑いが満載だ。

 本書の冒頭でも説明されているように、ひとり暮らしの生活は退屈な時間や寂しい瞬間があり、加えて単調になりがち。しかし何かをしようとしたときに、ひとりだからこそできるアイデアと工夫次第で、得られる満足度の高さと新しい発見があるということを教えてくれるだろう。

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 例えば休日の過ごし方で、子どものころ学校で行った遠足を大人になって再現するというエピソードでは、目的地の決定から行動計画立て、おやつの買い出し、お弁当の用意までをひとりでする様子はこちらまでワクワクしてくる。特におやつは300円以内という制約を設けてセレクトするところは、自分ならどれを選ぶだろうと読みながら普通に悩んでしまった。また、自宅でひとり飲みをするエピソードでは、安居酒屋のジャンクおつまみで飲みたいという欲求を満たすために「一人家飲み居酒屋ごっこ」と称し、食べたいものだけを作って実行。低コストで済むことに加え、ストレス解消にもなるという気付きがあった、ということを知ると実際に試してみたくなる。加えておつまみのレシピが載っているのも嬉しいポイントだ。

 ほかにも、目に染みない玉ねぎの切り方の検証実験や、導入した空気清浄機の謎動作の話、「パピルス」と名付けたクモと4カ月間も同棲した話など、日常のちょっとしたことを著者ならではの視点で面白おかしく紹介しているのも大きな魅力である。

 ひとり暮らしをしていると誰もがしてしまう、セルフノリツッコミを漫画化したような本書は、実践したくなるアイデアが詰まった笑える教科書だ。

文=西改

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