萌え声女子高生なのに話題がレトロネタばかり! 年齢詐称疑惑が拭えないVTuberが、今日も視聴者を翻弄させる!【書評】

マンガ

公開日:2025/12/18

 Xに投稿されている2コマ漫画を書籍化し、2025年10月に第3巻が発売となった『あきらかに年齢を詐称している女子高生VTuber 』(なまず/KADOKAWA)。VTuber(架空)・星空バアドの配信に、視聴者がツッコミのコメントを入れる様子を描いた斬新な作品構成で、読み始めると止まらなくなる中毒性がある。

 作品のタイトル通り、星空バアドはアバターの見た目と萌え声のかわいらしい女子高生なのだが、その言動から中の人の年齢は明らかに昭和以前生まれのシニア世代なのだ。そんなバアドに対する視聴者からのツッコミコメントが秀逸で、今の女子高生では知る機会のない古いテレビ番組や漫画作品などをバアドが当たり前のように口にする。それを聞いた若い視聴者は「?」となるが、ある程度年齢が上の視聴者がその番組や漫画の年代などを解説してくれるので「やっぱりバアドはBBA」とコメントされてしまうのだ。本作初期から続くこのお決まりエピソードがクセになる。

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 掃除をしていたら昔の本が出てきてつい読破してしまったと語り、読んでいたのは78年前の女性誌だったとか、昔やっていたパチンコの台が1970年代のTV付きだったとか、そのノリは第3巻でも変わらない。しかも視聴者たちが想定する実際の年齢が具体的に絞り込まれるような展開も見せる。

 VTuberという現代サブカルを代表するコンテンツを取り扱っているために若い人向けの作品かと思いきや、そこそこの年代以上の人に刺さる懐かしいネタが連発されるので、本作の対象年齢は非常に幅広いといえる。そもそもVTuberのことがよくわからないと思っている人でもハマる要素が詰まっているので、ぜひ手にとってみてほしい。

文=西改

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