家事も育児も完璧な夫と大ざっぱな妻。すれ違うふたりの行く末は? 『夫と会話になりません』が生まれたきっかけ【著者インタビュー】

マンガ

公開日:2025/12/11

 専業主婦の彩子は、デザイン事務所で働く夫・裕介と、4歳の息子・大地の3人家族。仕事をこなしつつ家事と育児にも積極的な夫に不満はなく、幸せに暮らしていた。しかし彩子には最近とある悩みが。それは「夫と会話が広がらない」こと。息子が生まれたばかりの頃は夫婦でたくさん話をしていたのに、いつの間にこんな関係になってしまったの……?

 夫婦の日常を妻と夫、それぞれの視点から描く『夫と会話になりません』(上野りゅうじん/祥伝社)。“完璧主義な夫と大ざっぱな妻”というふたりの行動や思考のリアルさが魅力で、つい自分を重ねながら読んでしまう。そんな本作が生まれた経緯や反響について、著者の上野りゅうじんさんにお話を伺った。

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――本作『夫と会話になりません』を描こうと思ったきっかけを教えてください。

上野りゅうじんさん(以下、上野):生活を共にする上で「会話」は避けて通れないものです。うまく成り立たない時はモヤモヤしますよね。そういう時に夫婦ふたりの気持ちを俯瞰して見ることができたら、解決の糸口につながるのではと思ったのがきっかけです。最初は好きで結婚したふたりだからこそ、対立し続けるよりわかり合える道を探していけたらいいですよね。この本を読んで、「相手はこう思っていたのかも」と考えるきっかけになったら嬉しいです。

――夫婦の問題というと、「しっかりしている妻とだらしない夫」というパターンをよく聞く気がします。本作はその逆なところが面白いと感じました。なぜこの設定にしたのでしょうか?

上野:最近は料理をする男性も珍しくなく、積極的に家事育児に参加する男性もかなり増えましたよね。家庭の中での夫像は多様化していると感じます。それに几帳面か大ざっぱか、器用か不器用なのかは、性別にあまり関係ないと思うんです。「女性だから家事ができて当然」「男性だから家のことは何もできない」という決めつけも今は通用しない世の中になってきていると思うので、この設定にしました。

――確かにその通りですね。上野先生ご自身も子育て中でいらっしゃいますね。自分自身の経験も本作には反映されていますか?

上野:そうですね。我が家も夫婦とはいえ考え方も価値観も違うので、ぶつかり合うこともあります。そういう時に「対話で解決できるか?」が鍵になるというのは日々痛感しています。

取材・文=原智香

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