自分のミスには無頓着だけど、人のミスを指摘する妻。ついに夫は妻を無視するようになって…【著者インタビュー】

マンガ

公開日:2025/12/16

 専業主婦の彩子は、デザイン事務所で働く夫・裕介と、4歳の息子・大地の3人家族。仕事をこなしつつ家事と育児にも積極的な夫に不満はなく、幸せに暮らしていた。しかし彩子には最近とある悩みが。それは「夫と会話が広がらない」こと。息子が生まれたばかりの頃は夫婦でたくさん話をしていたのに、いつの間にこんな関係になってしまったの……?

 夫婦の日常を妻と夫、それぞれの視点から描く『夫と会話になりません』(上野りゅうじん/祥伝社)。“完璧主義な夫と大ざっぱな妻”というふたりの行動や思考のリアルさが魅力で、つい自分を重ねながら読んでしまう。そんな本作が生まれた経緯や反響について、著者の上野りゅうじんさんにお話を伺った。

advertisement

――彩子には「人のミスはよく気づく」「自分のことしか考えていない」という短所があります。読んでいてギクッとした方も結構いるのではないかと思いました。

上野りゅうじんさん(以下、上野):そもそも人間誰しもそういう部分はあるのかなと思います。いいところでも悪いところでも、他人のことはよく目についてしまうのに自分のことは客観視しにくいですよね。その上で他人に対して口を出すべきか、黙っておくか、というのは非常に難しいところだと感じます。

――裕介も裕介で、配偶者のことを無視するというのは大人げなく感じます。「すぐ口論になる」「手を挙げる」など妻に不満を持った時に対する反応もいろいろあると思うのですが、「無視する」にした理由はありますか?

上野:裕介の性格を考えたら、口論は避けたいし、暴力という手段はとらないと思うんです。だからこそ「無視」に至ったんだと思います。

――本作を描く上で一番大変だったことはなんですか?

上野:細かいエピソードを考えるのが大変でした。絶妙にモヤッとする状況をどう作り出したらいいか……。編集さんといろいろと相談しながら描いた記憶があります。

取材・文=原智香

あわせて読みたい