刹那主義的な女の子と将来を見据えている女の子。思春期特有の繊細で不安定な感情を持つふたりの思いの行く末は?【漫画家インタビュー】
公開日:2025/12/2

『メグとゆあ』は、仲良しの女子高校生メグとゆあのなにげないやりとりを描いた短編漫画。「十八で死にたい」と言うメグと、「頭が良くなりたい」と願うゆあ。一見正反対のようでいて、実は同じような孤独を抱えているふたりの会話には、大人になっていくことへの戸惑いや不安定な感情が滲む。
歳を重ねることで純粋さや無邪気さを失っていくのが怖いと言うメグ。ゆあはそんなメグに理解を示しながらも、メグがいないなら生きたくないと本音をこぼす。すると、メグから返ってきたのは思いもよらぬ一言で――。
相手の存在を通して自分を確かめ合うようなどこか危うい関係が、読者の胸を締めつける。思春期特有の繊細な心の揺れを描いた本作は、X(旧Twitter)を中心に人気が高まっており、1万以上のいいねを獲得。
作者・bee(@tannsumi)さんに、創作のきっかけやこだわりについて語ってもらった。
高校時代に出会った仲良しふたり組をモデルに描いた物語
ーー『メグとゆあ』を描こうと思ったきっかけや理由を教えてください。
元々、ふたりの女の子のキャラクターだけはデザインしていました。女の子同士のにぎやかな掛け合いが好きなので、ふたりを絡ませた短い漫画が描ければ良いなと思っており、今回制作しました。
ーーこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントはどこですか。
ゆあの目元ですね。わかりにくいかもしれませんが、地雷系メイクを意識しています。そのほか、ふたりの制服の着方や髪型も本人の個性が感じられるようにしています。
ーー気に入っているシーンやセリフを教えてください。
一番好きなセリフは、メグの「メグはメグのバカな部分も好きなの」という言葉ですね。自分の悪い部分も好きだとはっきり言えるところが魅力的なキャラクターだと思います。
ーー「十八で死にたい」と言うメグと「頭が良くなりたい」と願うゆあは一見、性格も価値観も正反対のようでどこか似ていると感じます。メグとゆあ、それぞれのキャラクターはどのように生まれたのでしょうか?
メグとゆあは、どちらも自分が高校生の時に出会った、とても仲良しだったふたり組の女子たちの考え方や雰囲気を思い出して描いています。
メグはいわゆる刹那主義の塊のような子です。今が一番可愛くて幸せで、ずっとこのままでいたいと素直に思っている女の子ですね。 一方、ゆあはどこか達観した子で、しっかり将来を見据えていますが、根っこの思いはメグと同じだと思います。 ふたりが似ているように見えるのは、その根っこの部分が共通しているからかもしれません。
ーー「メグがいないなら生きたくない」というゆあの言葉が印象的でした。もしふたりが少し大人になった後を描くとしたら、どのような関係になっていると思われますか?
メグとゆあのモデルとなった女の子たちも、今もまだふたりで仲良くしているようです。
だからメグとゆあにも、世の中の愚痴を言いつつも、ときどき飲みに行ったり遊んだりしながら、そんな関係を続けていてほしいなと思います。
ーー本作を通じて描きたいこと、伝えたいことはどんなことですか。
これは自分自身にも当てはまる部分があるのですが、メグのようなギリギリで生きている女の子って、 社会に出てしっかりした大人になるまでがとても大変だと思うんです。自分のペースで生きられるのが高校生までだと本人も薄々感じているから、学生でいられるうちに死にたいと思ってしまうのかなと考えています。
そういう時にゆあみたいな子がいてくれたら、自分のペースを忘れずに大人になれるんじゃないかと、そう思って描きました。
ーー今後の展望や目標を教えてください。
これからも漫画を中心にSNSに投稿していけたら良いなと思います。暇なときにでもアカウントを見に来てくれれば、何かの絵や漫画が上がっていると思います。
ーー作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
いつも作品を見てくださってありがとうございます。普段は絵以外あまりポストしませんが、コメントや反応など、大事に見させていただいております。今後もよろしくお願いします。
