命がけの結婚生活なのにイチャイチャ増殖中!? 幼馴染ケンカップルの後宮ロマンス『愛され皇妃のゆううつ』、胸キュン必至の第2巻【書評】
PR 公開日:2025/12/5

LaLaDXで好評連載中の後宮ロマンス『愛され皇妃のゆううつ』の第2巻が発売された。
当作品の舞台は、暁帝国という架空の国。その国の皇帝である青嵐は妃を迎えた。この妃こそがこの物語の主人公である明霞である。青嵐は、第一将軍でもある明霞の父に武術を教わっており、二人は古くからの幼馴染であった。武術に長けていて、彼女自身の身分も申し分ない、誰が見てもお似合いの美男美女。みながその結婚を祝福したが、彼女ただ一人だけは不満を隠そうとしなかった。
なぜなら、彼女の夢は「軍に入って、何かと命を狙われやすい青嵐を守ること」だったからだ。


そこで、軍に入るために結婚を遅らせたかった明霞は、屋敷の門の前に「楼門の屋根飾りを射貫いた者に汪明霞を与える」という無理難題を掲げていたのだが、そんな無理難題に対して「試しに射たら当たってしまった」と登場したのが、青嵐だった。


この青嵐、まるで“偶然”を装っているかのようだが、彼の明霞に向ける眼差しは優しく、明らかに恋慕の情を持っている。一方で、明霞はあくまで彼のことを“幼馴染”であり“守るべき存在”と思っており、このすれ違いによって結婚後も相変わらず喧嘩ばかりの(というよりは、冗談ばかり言う青嵐に怒ってばかりの明霞、の構図だが)夫婦というより友達同士の雰囲気である。
「結婚」から始まる恋愛物語というのは一定数あるものだが、この作品は特に“帝国の皇帝と妃”という格式高い関係の二人が、幼馴染として初々しい恋愛模様を繰り広げるところに特徴がある。
その身分ゆえに、信頼していた人物からの裏切りや、残酷な策略などが物語に登場し、そのたびに青嵐と明霞は巻き込まれ、時に命を狙われることとなる。しかし、そんな波乱の展開の中でも彼らは平常運転でケンカップル(はたから見たらイチャイチャしているようにしか見えない)ぶりを繰り広げる、このギャップが面白いのだ。


今回発売される第2巻では、明霞の心情が少しずつ変化していく点にも注目だ。今までは軍に入ることを諦めきれず、あくまで青嵐を守るために動いていた明霞が、結婚生活という特殊な環境下で、これ以上ないほどに近い距離で青嵐と過ごし、だんだんと彼の新たな一面を知っていくようになる。そして、次第に彼女は青嵐に対して、普段通りにいられなかったり、なんだか落ち着かなかったり、まるで初恋をした子どものような姿になってしまうのだ。


そんな彼女の揺れ動く姿に、青嵐もまた動揺し、冷静でいられなくなってしまう。第2巻は1巻に比べてさらに二人の距離がグッと縮まるシーンが多く、胸キュンシーンもてんこ盛りだ。また、一方で新たに“妃候補”も現れるなど、一筋縄ではいかない波乱の予感も。


その立場ゆえ、常に危険と隣り合わせの明霞と青嵐。だからこそ、幼馴染として気兼ねなく喧嘩したり笑い合ったりしている二人を見ていると、どうかこの幸せな時間がずっと続きますようにと切に願わずにはいられない。各種電子コミック配信サイトでは第1話が無料で試し読みできるので、気になった人はこの機会にチェックしてみるのもおすすめだ。
文=園田もなか
