フォロワー数3桁でも「夢」は叶う?入学倍率7.5倍の人気インフルエンサー養成スクール主宰者が教える、SNS運用ノウハウ【書評】
PR 公開日:2025/12/5

SNSを始めたものの、「いいね」が付かない、フォロワーが増えない。最初は交流や発信を楽しみ、運よく少し注目を集められたら嬉しいな、という軽い気持ちだったのに、気づけば数字に振り回され、「なぜ、こんな無意味なことをしているのだろう」と自己嫌悪に陥ってしまった…という人もいるかもしれない。
そういった人にお勧めしたいのが、『ミニマルインフルエンサー主義 夢を叶えるのにフォロワー数は関係ない。』(中島侑子/Gakken)だ。一般的に、インフルエンサーとして活動するならばSNSのフォロワーは多いほど良いと思われがちだが、本書はその常識を覆す。
SNSを通じて幸せになること、あるいは「稼ぐ」「集客」「PR案件の獲得」「読者モデルになる」「メディア出演」「出版」といった夢を叶えること、そのどれにおいてもフォロワー数は“多いに越したことはない”が“必須ではない”と明言している。とくに著者が推奨するInstagramでは、「フォロワー3000人いれば多くの夢は叶えられる」と説く。
著者は人気スクール「TOKYOインフルエンサーアカデミー」を主宰し、外務省や自治体などでSNS講座を手がけてきた。本書はその豊富な経験をもとに、“数より質”の発信を提案する。フォロワー数に疲れた人へ、著者は「夢を叶えるのに必要なのは、影響力の大きさではなく濃さ」と語る。
夢を叶えるための方法として、本書では「夢を意識する力」を高めるワークや、「逆算思考」による目標設定法なども紹介している。しかし、本稿ではそうした理論的手法ではなく、フォロワー数が多くなくても夢を実現した実例から、すぐに実践できるポイントを見ていきたい。
まずは「自己開示」。たとえば、著者のスクールに通うフォロワー数275人の女性は、ペーパーアートの一種「ローズウィンドウ」の普及活動を続けていたが、あるときから自身の病気を乗り越えた経験や、仕事・家事・育児の葛藤を赤裸々に投稿し始めた。すると、その誠実な言葉とストーリーが多くの共感を呼び、「この人から学びたい」「この人の作品を手に入れたい」というファンが急増。フォロワー数は少ないままでも、依頼が殺到するようになったという。見栄えの良い投稿よりも、正直で心のこもった発信が“人を動かす”のだ。

また、「先入観を捨てること」も重要だ。SNSで“映え”は必須でないようだ。フォロワー数300人の50代男性が、人気ワインブランドのアンバサダーに選ばれた例がある。彼の投稿は、豪華な被写体やおしゃれな空間を切り取ったものではなく、日常の何気ない瞬間を淡々と綴ったものだった。その飾らない等身大の発信が「親しみやすい」「自分のことのようだ」と共感を呼び、結果的にブランドの目に留まったという。著者は「“映え”を狙わない誠実さこそが、人を惹きつける」と分析する。
もちろん、ただ本音を投稿するだけで夢が叶うわけではない。本書では、ポジショニング戦略やライバルと重ならない「ベストマッチエリア」の見つけ方、数字を活用したセルフブランディングなど、実践的なノウハウも豊富に解説されている。だが、その根底にあるのは、フォロワーを「数」ではなく「人」として見る視点だ。数を追うことに疲れた人が、もう一度SNSの原点に立ち返るためのヒントが詰まっている。
著者は「夢は思い描くだけでなく、叶えるもの。誰にでも叶えられる」と語る。本書は、SNSを通じて何かを実現したい人に、フォロワー数では測れない“本当の影響力”を教えてくれる。数字にとらわれず、自分らしく発信を続けたい人にこそ、手に取ってほしい一冊だ。
文=ルートつつみ(https://twitter.com/root223)
