真面目そうな先生の疲れを癒やすのは意外なアレだった! ほのぼのするオチが話題のショートコメディ【漫画家インタビュー】

マンガ

公開日:2025/12/8

 本作は、とある専門学校での先生と生徒のやりとりをコミカルに描いた短編漫画だ。

 ある日、授業や課題に追われて疲れている様子の生徒に、先生が優しく声をかける。
「君は少し根を詰めすぎじゃないか?」。たまには好きなものを食べて、ゆっくりする日を作りなさいと諭す先生に、生徒は「先生はいいモン食べてそうだな……」と内心でぼやきながら教室を後にした。

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 ところがその日の帰り道、生徒が偶然見かけたその先生が手にしていたのは、なんと大きなコーンスナックにチョコをかけた、お馴染みの駄菓子。どんな人でも幼い頃の思い出の味をひそかに大切にしているものなのかもしれない。

 ほのぼのするオチが話題を呼んだ本作は、X(旧Twitter)を中心に人気を集めており、4万以上のいいねを獲得。作者・m1324(@1324man_hon)さんに、創作のきっかけやこだわりについて語ってもらった。

「こんな先生がいたら嬉しいな」という願望をそのまま描いた優しい世界

ーー本作を描いたきっかけや理由を教えてください。

 作中に登場するお菓子がドラッグストアのレジ横で販売されているのをふと見かけたのが、創作のきっかけでした。

ーーこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントはどこですか?

 こだわった点は、登場シーンではいかにも真面目そうに見えた先生が、大きなお菓子を持って再登場するというギャップの演出です。「体温で溶けますよ!」とのツッコミもいただきましたが、剣のような持ち方も気に入っています。

ーー疲れている生徒を気づかう先生の優しさに心が温まりました。この場面には、ご自身の体験やお世話になった先生への思いが反映されているのでしょうか。

 この場面には個人的な体験は含まれていませんが、「こんな先生がいたら嬉しいな」という気持ちで描いてみました。自分が「見たい!」と感じる場面をそのまま形にしています。

ーー作品に登場する駄菓子に懐かしさや温かみを感じてほのぼのしました。このお菓子は、ご自身にとっても思い出の味なのでしょうか?

 そうですね。やはり子どもの頃はサイズが大きいお菓子を見かけるとワクワクしましたし、大人になった今でも、ときどきその気持ちが蘇ります。そういう気持ちが反映されて、つい大きく描きすぎてしまいましたが……(笑)。

ーー読者の感想の中で、特に印象に残っているものがあれば教えてください。

 本作については、お菓子にまつわる思い出話を寄せてくださる方が多かったのが印象的でした。やはり昔ながらのお菓子は多くの人に親しまれているのだなと感じましたね。

ーー本作のほかにもオリジナルの創作漫画を多く描かれていますが、ユニークなアイデアの数々はどのように生まれるのでしょうか。

 作品を作るときは、「こういうキャラクターが見たい!」もしくは「こういうシーンが見たい!」という気持ちのどちらかを膨らませて描くことが多いです。自分が求めるものを描いていると制作の意欲も上がるので、作業効率も良くなります。

ーー今後の展望や目標を教えてください。

 現在は制作中の創作ゲームの完成を目指しつつ、その合間に時おり漫画を描いている状況です。まだ完成の目途は立っていませんが、ゲーム制作が落ちついたら、創作漫画もまた描いていきたい気持ちがあります。

ーー最後に、作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。

 私のような描き手に一瞬でも出会っていただいた読者の皆さんに大変感謝しております。また皆さんのささやかな楽しみになるような漫画が描けたらと思います。

取材・文=ネゴト / 糸野旬

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