人はそれぞれ何かを抱えている。無表情で愛想がない後輩だと思っていたら…【著者インタビュー】

マンガ

公開日:2025/12/20

 病気の影響で小学生の頃に身体の成長が止まってしまった吉乃華・25歳。小学生の時と同じ身長のまま大人になった華は、年齢と外見が乖離していることで「見た目がもたらす生きづらさ」に直面してゆく。華だけではなく、顔面麻痺を患っているために無愛想と思われてしまう同僚の岩見や、身長が高いことを気にする直美など、登場人物それぞれが抱える悩みを通じて、気づきと勇気をもらえる『133cmの景色』(ひるのつき子/新潮社)。著者であるひるのつき子さんに、本作を描いたきっかけや伝えたいテーマについて話を聞いた。

――主人公・華に影響を与える人物として登場する岩見。軽度の顔面麻痺の症状ゆえに無表情になりがちで、そのために誤解を招いてしまうこともしばしばです。しかしながら、率直な言動に好感が持てる人物ですね。岩見を描く上で参考にした人物はいますか?

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ひるのつき子さん(以下、ひるの):特定の人物はいません。ただ、彼の過去については医療機関への取材で得た知識をもとに描いています。

――岩見とご自身では似ていると感じる部分はありますか?

ひるの:ありますね。私自身は華よりも岩見に似ていると思います。特に言葉がストレートすぎたり誤解を与えてしまったりするところとか。嘘をつくのが苦手です。

――岩見について、ひるの先生が執筆当初予想していなかった変化がありましたら教えてください。

ひるの:うーんそうですね……。華が比較的早く岩見に対しての恋心を自覚するのに対し、岩見は思っていたよりも恋愛へのアプローチが牛歩だったところです(笑)。

――(笑)、でもそこが作品の魅力にもなっていると思います。

取材・文=原智香

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