【ひとりで寂しい夜に】愉快な人型ワンコとの同居を描く『マルは子犬。』で元気チャージ【書評】
PR 公開日:2025/12/22

嫌なことがあって、そばに誰かがいてほしい時ってありますよね。そんな時は、webtoon 『マルは子犬。』(mojo/LINEマンガ)をおすすめします。
「マル」とは、作中に登場するプードルミックス(4歳)のこと。目にも止まらぬ速さでババババッとオモチャを振り回す姿や、窓の外にいる鳩にやんちゃな表情で飛び掛かろうとする姿など、いかにも犬らしい無邪気な描写が可愛くてたまらない!
飼い主は、一人暮らし3年目の友里。一人でいると寂しさを感じることもありますが、それを口に出してみても、マルはどこ吹く風。その気持ちに寄り添ってくれることはありません。友里は「マルが人間になったら楽しいだろうな」と想像するのですが…。
人間の子になっても、やっぱりマルは犬だった

じつは、犬の姿のマルを楽しめるのは物語の最初だけ。ある時、マルは人間の子どもに姿を変えてしまうのです! 嫌なことがあって、ふと悲しい気持ちになってしまった友里が「誰かこの気持ちに気づいてくれたら…」と願うと、人の子どもに成り変わったマルが友里の前に現れるのでした。
ただ、マルが人間になったのは姿かたちだけのようです。二足歩行になり、友里とお喋りもできますが、表情や習性は犬のまま。ピンポーンとベルが鳴ったらダダダダと玄関のほうへと駆け出す、そんな姿は犬だった頃のマルそのもの。それが想像以上に可愛らしく、犬が人の子になるとこうなっちゃうんだ!? と癒されながらも笑ってしまうのが、本作最大の魅力です。
飼い主の気持ちを察する子犬マルが健気すぎる
感動の場面もあります。下の階に住む住民が身に覚えのない苦情を友里に言いに来た時、人間になったマルは、その人を追い払うようにワンッ! ガウガウ! と、飼い主を守ろうとする番犬のように犬の吠え声を上げるのです。
もしかしたら、犬だった頃のマルは飼い主である友里の寂しさや悲しみに気付いていて、言葉を伝えられる人間の姿になった今、やっと友里のことを助けられると張り切っているのかも。そんな風にも思えてきて、健気なマルの行動に愛おしさが込み上げました。
ちなみに、この場面でマルが相手に見せた威嚇顔は、可愛くて恐ろしくて最高です!
意表を突いた展開やキャラクターの変顔に爆笑
マルの可愛さもさることながら、本作のギャグや意外な展開も大きな見どころです。何しろマルは人型の子犬。その行動は常に意表を突いていて、物語は思わぬ方向へ進んでいくのです。また、そのたびに感じる驚きを友里がちゃんと代弁してくれるので、読んでいてスカッとします。その一方で、友里が感じる一人暮らしの寂しさなど、現代にありがちなリアルな感情に共感することもできます。
マルとの同居生活は、ちょっと疲れるけど、毎日癒しと笑いがある。飼い犬がいる人は、改めて犬の可愛さにしびれながら、あわよくばうちの子も人間になってくれないか…と願ってしまうかもしれません。
韓国ではNMIXXのヘウォンが歌ったOSTも有名
『マルは子犬。』は日本のみならずグローバルで親しまれている作品です。なかでも韓国では、ヘウォン(NMIXX)が歌ったOST「マルは子犬。」が話題になるなど、非常に人気が高い作品だとか。
本作は、「LINEマンガ」の新機能「∞無料(無限無料)」の対象作品のため、現在52話(※)まで完全無料で読むことができます(※2025年12月22日時点)。毎話気になる終わり方なので、一気読みすること必至です。
仕事に疲れた一日の終わりや、何も考えずにぼーっとしたい時、ぜひマルの可愛さに癒されてみて。
文=吉田あき

