些細な喉の違和感から“がん”が見つかって…「漫画のネタができた」と思うことで保てた平常心【著者インタビュー】
公開日:2026/1/16

喉の違和感から、中咽頭がんの発見に至った松本ぽんかんさん。『ママ5年目でがんなんて 手に入れた卵子と失った味覚』(松本ぽんかん/竹書房)には若さゆえの進行の早さや抗がん剤が卵子に与える影響など、たくさんの悩みと向き合ったリアルな闘病生活が描かれている。
闘病中は味覚障害に苦しみ、一時は生きる気力をなくしたことも…。果たして、ぽんかんさんはどのように“日常“を取り戻していったのだろうか。ぽんかんさんが作品に込めた想いや闘病を経て得た気づきなどを伺った。
※個人の体験、お話をもとにインタビューを行っています。初期症状や治療法、副作用など、詳細は医療機関等にご確認ください
――まず、どのような経緯や想いから、ご自身のがん闘病を漫画で描こうと思われたのでしょうか?
松本ぽんかんさん(以下、松本):もともとエッセイ漫画を描いていたので、「がんかもしれない」という疑惑が出た時点で、絶対に漫画のネタにしてやろうと思っていました(笑)。「ネタができた」と思うことで、平常心を保っていたと思います。医師の説明も取材のような感覚で、冷静に聞くことができました。妊娠5ヶ月半まで続いたつわりの苦しみを伝えた前著『つわりが怖くて2人目に踏み切れない話』(KADOKAWA)の時は記録をつけておらず、記憶頼りになってしまったので、がん闘病にあたっては受診日や検査内容などを細かく記録していました。
――闘病前は、がんという病気に対してどんなイメージを持っていましたか?
松本:「がん=脱毛」というイメージが強かったです。あとは「抗がん剤=吐く」というイメージ。私は第一子の妊娠中につわりが重かったので、死ぬことへの恐怖より吐き気への恐怖のほうが勝っていて、「治療とつわりは、どっちが辛いだろう…」などと考えてもいました。
――実際にがんと闘う中で、がんのイメージは変化しましたか?
松本:抗がん剤を行うと聞いた時、「脱毛するのか…」と思いましたが、私が使った抗がん剤は脱毛の副作用が薄く、全ての抗がん剤が脱毛するわけではないと知りました。ただ、放射線治療は放射線を当てた耳から下の髪が全部抜けたので、そっちは「聞いてないよ…!」と驚きました。吐き気の副作用はありましたが、妊娠中と違って吐き気止めが使えたので、私の場合はつわりの時ほど辛くはありませんでした。
取材・文=古川諭香
