「死ねない」と心から思った。抗がん剤治療前に行った“卵子凍結”が闘病を支えた【著者インタビュー】
公開日:2026/1/21

喉の違和感から、中咽頭がんの発見に至った松本ぽんかんさん。『ママ5年目でがんなんて 手に入れた卵子と失った味覚』(松本ぽんかん/竹書房)には若さゆえの進行の早さや抗がん剤が卵子に与える影響など、たくさんの悩みと向き合ったリアルな闘病生活が描かれている。
闘病中は味覚障害に苦しみ、一時は生きる気力をなくしたことも…。果たして、ぽんかんさんはどのように“日常“を取り戻していったのだろうか。ぽんかんさんが作品に込めた想いや闘病を経て得た気づきなどを伺った。
※個人の体験、お話をもとにインタビューを行っています。初期症状や治療法、副作用など、詳細は医療機関等にご確認ください
――抗がん剤治療を始める前に卵子を凍結できたことは、治療を受ける中で心の支えになりましたか。
松本ぽんかんさん(以下、松本):思った以上に、心の支えになりました。治療を拒んで私が死んだら、あの卵子は誕生のチャンスすらなくなるので、「死ねない。頑張って治さなくては…」と思わされました。まるで、2児の母のような気持ちでしたね。
――松本さんが採卵手術を受けることを旦那さんは、どう捉えていたのでしょうか。
松本:夫は基本的に何も言わないんです(笑)。第二子や妊活に関しても、私が後悔しないなら、それでいいじゃんというスタンス。優しさなのか無責任な発言ができないだけなのか分かりませんが、優しさだと思うことにします(笑)。
――がん治療中は、周囲からどんな接し方をされると心が楽になりやすいと感じましたか。
松本:告知した時に泣かないでほしいです!(笑) 泣かれると、死んでしまうんじゃないかって気がしてくるので…。私の場合は「かける言葉が見つからない…」と無言になられるより、「どこの病院? どういう治療をするの?」と、食いついてくれる人と話が弾みました。
あと、遊びに誘ってもらえると、病院以外の予定が入るので嬉しかったです。もちろん、闘病中に遊びに誘われるのが辛い人もいると思いますが、私は普段通り誘ってもらえることが嬉しかったし、無理なら断るので、誘えるだけ誘ってほしいと思っていました。
取材・文=古川諭香
