若年層の妊娠について調べて感じた、制度と知識の必要性【著者インタビュー】

マンガ

公開日:2026/1/7

 高校生の娘が妊娠…その時、あなただったらどうする?

 そんなセンセーショナルなテーマを扱った『娘を妊娠させたのは誰ですか?』(たけみゆき/KADOKAWA)。真面目な夫と優しい娘とともに平穏で幸せな日々を送るさなえ。ある日、高校生の娘・春菜の妊娠が発覚する。相手は一年前から付き合っている彼氏・航太郎だという春菜。幾度か険悪な雰囲気になりながらも、双方の親たちの間では子どもは諦める方向にまとまる。しかしその時ふたりは――。

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 若年層の妊娠について調べた上で本作を描いたという著者・たけみゆきさん。調べる中で感じたことや、どのように漫画に落とし込んでいったのか制作の裏側を聞いた。

――本作を描くにあたって若年層の妊娠について調べられたとのことでしたが、意外だったことや感じたことを教えてください。

たけみゆきさん(以下、たけ):若年層で妊娠してしまったり、乳幼児の遺棄事件のニュースを見たとき、大きくなるお腹で周囲は妊娠には気付いていたはずなのに、福祉の助けはなかったのか、父親は何をしているんだろうと思っていました。でもさまざまなケースを調べていくと、女性に何らかの障害があったり、大人に利用されてしまっていたり…あらゆる事情があるんだということがわかっていきました。その人たちを救いたいとまではおこがましいですが、そういう場合でも誰かに助けを求めたり、制度や仕組みを知っているかいないかで打てる手が違うなと感じ、本書で伝えられればと思いました。

――本作を描く上で資料をたくさん読んだそうですが、どんな資料を読まれましたか?

たけ:いろいろな資料を読みましたが、例えば若年層で出産した方が何人、中絶した方が何人……とはっきり数字が出ている資料もありました。その数字ひとつひとつの背景に様々な事情があると感じて、深く考えるものがありました。10代だと出産数よりも中絶数が多いのが印象的です。

――そのイメージは確かにあります。

たけ:でも、制度がもう少し充実していたら違うのかなと思ったんです。中絶を選んだ子の中にも、里親制度や特別養子縁組といった制度を知っていたら産む選択をしたかった子もいるかもしれない。乳児院に一時的に預けてあとから引き取ることもできます。まずは望まない妊娠を避けることが大事だと思いますが、様々な選択肢を知ることで不幸な事故が減ると思っています。女性だけでなく全ての人が知識をきちんと持った上で選択できる世の中になっていってほしいなと思います。

取材・文=原智香

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