2025年の顔はミャクミャク! 万博は終わりではない。次の未来へ脈々と受け継いでいく思いとは【インタビュー】

ダ・ヴィンチ 今月号のコンテンツから

公開日:2026/1/27

※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2026年1月号からの転載です。

 184日間、2900万人を超える来場者で大盛況のうちに幕を閉じた大阪・関西万博。その公式キャラクターとして人気を集めたのがミャクミャク。国民的な愛されキャラとなったミャクミャクに万博への想いをうかがった。

初めて話した言葉は「こんにちは」好きな言葉は、『生き物、みんな友達!』

 2025年を振り返るうえで欠かすことのできないキャラクターといえば、大阪・関西万博を盛り上げる一翼を担ったミャクミャク。まずは、本誌が選ぶ“今年の顔”に選出された想いからうかがった。

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「すごく嬉しいです! ミャクミャクを選んでくれてありがとう!! ミャクミャクはみんなが『万博、楽しい!』って喜んでいる姿を見ているのが本当に幸せだったんだ。日本の皆さんだけでなく、世界中の人たちとも交流できたし、たくさんの人とお友達にもなれたよ。毎日笑顔と感動をいっぱいもらえたんだ。万博を通して、皆さんと出会えたこと、ミャクミャクのことを知ってもらえたことがすごく嬉しい。本当にありがとう!!」

 万博で印象的だった思い出を訊ねると、「大屋根リングから朝日と夕日を見た瞬間かな!」との答えが。

「それと、会場内にあるミャクミャクのお家に、たくさんの人が遊びに来てくれたことも。写真を撮ったり、ハイタッチをしたりして、ミャクミャクも毎日ワクワクしてたんだ。みんなが公式ライセンス商品だけじゃなく、ミャクミャクをモチーフにした手作りの衣装やアイテムを身に着けてくれているのを見るのも、すごく嬉しかったよ」

 開催前から約30の国と地域を訪問し、世界と大阪・関西万博をつなげる架け橋となって大活躍。会期中も、いつも会場に姿を見せるミャクミャクに、多忙すぎて体調を案じる声がSNSなどに上がったが……。

「心配してくれて本当にありがとう。でも、何がお仕事で、何がお休みかわからないほど、毎日が楽しかったんだ。いただいたお手紙を読んだり、得意なダンスを踊ったりしてリフレッシュもできたしね。会場にいないときは、もっともっとたくさんの人とお友達になれるように言葉を勉強してたんだ。本もい〜っぱい読んだよ。言葉を覚えると、いろんな人とお話ができるからすごく楽しいんだ」

 振り返ると、最初に私たちの前に現れたときは、あまり言葉が話せなかったミャクミャク。しかし、人間のことをもっと知りたいという好奇心から勉強を重ね、瞬く間に会話を楽しめるようになった。

「初めて話した言葉は『こんにちは』。いろんな国の挨拶を覚えたよ。お互いの心を開いてお話をするには、最初の挨拶が一番大事。これはたくさんの国に行ってミャクミャクが感じたことなんだ。そして、心の距離が近づいたら、次に『みんなのことが大好き!』という気持ちを伝えていく。そうすると、すぐにみんなと仲良くなれるんだよ」

 ちなみに、一番好きな言葉は「生き物、みんな友達!」。

「もちろん、『万博、楽しい!』も大好き。それに、会場で多くの人に『ミャクミャク!』って声をかけてもらえたのも嬉しかったよ」

万博を通して感じたことはやっぱり人間の素晴らしさ

『いのち輝く未来社会のデザイン』。これは大阪・関西万博で掲げられていたテーマだ。ミャクミャクも「人々が新しい技術を通して、少し先の未来を見ることができるのが万博の素晴らしさなんだ!」と語る。

「万博は終わっちゃったけど、この万博での経験や感動を生かして、次の未来を一緒に創り上げていくスタートが始まったと思っているんだ。ミャクミャクも、みんなの一歩一歩がより良い未来の糧となることを願ってるよ」

 また、今回の万博が私たちに見せてくれたのは技術の未来だけではない。多様性の在り方もその一つだ。それを象徴するように、各国のパビリオンでも個性的なマスコットたちが顔を揃えた。

「どのマスコットキャラクターも大人気で、多様性にあふれていたよ。『イタリアちゃん』はイタリアと日本の文化を融合したキャラクターだったし、ドイツの『サーキュラー』には日本の“KAWAII”が取り入れられていて。不思議さが魅力的だったチェコの『レネ』ともすぐにお友達になれたんだよ。こうしたキャラクターたちを愛してくれたように、みんなもいろんな国の人々と仲良くなってくれたら嬉しいな」

 さまざまな国の歴史と文化を受け入れ、その文化を脈々と受け継いでいく。これは“ミャクミャク”の名前に込められた思いでもある。

「今回の万博でミャクミャクが強く感じたのは、やっぱり人って素敵だなってこと。世界をより良くしていくための課題はまだまだたくさんあるけど。過去の人々はそれを乗り越え、今を生きる人たちは希望を捨てずに未来に向かっているよね。ミャクミャクが今こうして人の形をしているのは、そんな人間が大好きだからなんだ」

 万博が閉幕した翌10月14日、ミャクミャクは「おはよう、未来。」と題したメッセージを発信した。日々のちょっとした進化と変化が、新しい今日や明日を作っていくという願いを込めたこの言葉は、多くの人の心に響いた。

「ミャクミャクの思いや、万博に携わったすべての人の思いをあの言葉に込めたんだ。ミャクミャクはこれからもそばにいるよ。また、どこかで会えるといいね!」

取材・文:倉田モトキ 写真:迫田真実

ミャクミャク●関西のどこかにある小さな湧水地で生まれた不思議な生物。細胞と水が一つになったものといわれているが、その正体は不明。雨上がりに虹を見つけるのが得意で、いろんな生物や物事と触れ合うことが大好き。

ダ・ヴィンチ 2026年1月号 [雑誌]

ダ・ヴィンチ 2026年1月号 [雑誌]

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