惚れっぽい女子高生×ウブなヤンキー男子高生のラブラブっぷりに胸キュンが止まらない!『なつかないで虎くん』【書評】
公開日:2026/1/20

惚れっぽくて恋愛をするとポンコツになってしまう主人公・志乃と、ぱっと見は不良だが意外とウブな一面もあって可愛い年下男子の虎、そんな初々しい二人のカップルを描いた少女漫画『なつかないで虎くん』(藍澤さつき/白泉社)の第一巻が発売された。
主人公の高瀬志乃は高校2年生。とにかく惚れやすい上に、恋をするとその人のことで頭がいっぱいになって、他のことが手につかなくなってしまう。

彼女には祖父母の経営する喫茶店「陽だまり」を引き継ぐという夢があり、そのために大学で経営学を学びたいと考えている。夢を追う彼女にとって、今は恋をしている場合ではない。だから「恋はしない」と決めていたはず、だった。
しかし、ある日、その喫茶店「陽だまり」に新しいバイトが入ってきたことで、彼女の運命は一転する。

新しく雇われたのは、高校1年生の星川虎。目つきも悪く、声も低い。巷で有名な不良高校に通っている彼に、志乃もさすがに惚れる気配はなく、ビビりっぱなし。しかし、虎は以前から志乃がいない間に喫茶店に通っていた常連客だという。祖母の「あの子はいい子だと思うわ」という言葉を信じて、志乃はなんとかコミュニケーションをしようと考える。

話してみると、虎は予想外に素直な少年で、喫茶店のクリームソーダが大好きだという。少し照れながら話す彼に、「意外と可愛いかも」と感じ始める志乃。手が当たっただけで赤面する彼を見て、「不良なのにウブなの…?」とそのギャップにキュンキュンが止まらない志乃。褒められて嬉しそうにしている虎を見て、その可愛さに心の中で絶叫する志乃……もう、完全に恋に落ちている。

少女漫画あるあるのひとつに、イケメンからの猛アタックにも全く気付かないような超鈍感系の主人公があるが、この作品の志乃はそれとは真逆の性格で、それがまた新鮮でいい。どんな小さな瞬間にも胸がときめいてしまう彼女自身も可愛らしく、そして虎もまたそんな彼女のことを愛おしく思っていた。

惚れっぽいが、恋愛経験はゼロの志乃。お付き合いを始めても、虎のちょっとした行動に心をかき乱されて、頭の中は虎でいっぱい。虎は、空回りする彼女を優しく支えて、受け入れる。とはいえ、虎も恋愛経験は豊富ではなさそうで、お互いにピュアで初々しいのがまた読んでいてキュンキュンするポイントだ。

お互いに大好きで、お互いに素直だから、思っていることをぜんぶ言ってしまう。そして言ったそばから照れて赤面してしまう。お互いまっすぐすぎるからか、どこか危なっかしくてハラハラしてしまう瞬間もあるけれど、多少のすれ違いが発生しても、すぐに気持ちを伝えあって解決してしまう。そこからさらにお互いの絆は深まっていく。見ていてつい応援したくなってしまう2人だ。

この作品を読んでいると、虎のいじらしい年下彼氏っぷりにときめいて、志乃の不器用だけどまっすぐな年上彼女だからこその愛らしさに胸がキュンキュンして、本当に心臓がもたないくらいときめきを摂取することができる。うぶな二人だからこそ、キスとかハグとかの場面ですら、こっちまで緊張してしまう。ただひたすらに甘い恋物語を読みたい、胸キュンが足りてない、という方に真っ先にお勧めしたい作品だ。
文=園田もなか
