棚や引き出しのものを片っ端から出していく子ども。興味にあわせて新しいおもちゃを手作りすると…? 笑って泣ける、でこ先生と園児たちの“ドタバタ愛おしい日常”【書評】
公開日:2026/2/4

『ただいま! 保育士でこ先生』(でこぽん吾郎/KADOKAWA)は、保育現場の“毎日起きる予測不能”を、ユーモアたっぷりに描いたコメディ作品。SNSで大人気『実録 保育士でこ先生』の第2シーズンだ。今作でも、元気いっぱいで個性豊かな子どもたちと、ちょっぴりドジなでこ先生が繰り広げるにぎやかな日常が軽快に描かれている。
子どもはとにかくかわいい。しかし、成長につれて「かわいいだけじゃ済まない日」がどんどん増えていく。引き出しを全部ひっくり返したり、次々とティッシュを引っ張り出したりといった探索行動が激しくなることも……大人にとっては“困った行動”も、本作では前向きな“成長の証”として描かれている。だから読みながら、子育ての大変さでさえちょっと愛しく感じられてくる。
そんな毎日の中で、でこ先生は子どもの成長と感情にしっかり向き合う。保育士としての誠実さと、お母さんたちの気持ちに寄り添おうとする姿勢が随所で光る。
第2巻では、子育てに奮闘するパパたちも新たに登場。園児たちのクスッと笑える珍行動も相変わらず全開で、ページをめくる手が止まらない。さらに本作では、シリーズ初となる“発達支援”をテーマにした描き下ろしエピソード「一人じゃない」も収録されており、見どころは満載。本エピソードの主人公は、療育的な支援が必要と思われる園児・てっちゃん。注意すると怒って噛みつく、うつ伏せのまま1時間動かない——その行動には深い課題が見え隠れする。お母さんに相談しても拒まれてしまうが、でこ先生の“未来のために向き合う姿勢”が伝わり、やがてお母さんが「発達検査を受けてみよう」と決意するシーンは、胸がじんとあたたかくなった。
たくましくて予測不能で、時に抱腹絶倒。だけどふと、子どもの成長に胸がぎゅっとなる。そんな保育の日常が、でこ先生の視点からやさしく、あたたかく描かれている。読み終えたとき、子育てに疲れたお母さんも、ドタバタの毎日が少し違って見えるはず。笑って、泣いて、共感して、また明日もがんばろうと思える1冊だ。
