アイロンかけておいてね?共働きなのに家事を押し付ける自称・愛妻家夫がヤバすぎる【書評】
公開日:2026/1/26

夫婦の間には、小さなすれ違いや価値観の相違がつきものである。結婚当初はどれだけ仲が良くても、生活環境の変化や仕事の忙しさといった些細な要因が、徐々に心の距離を広げることは珍しくない。また、長年連れ添うことで生まれる「言わなくても伝わるはず」という思い込みが、誤解や不満を招く一因となることもある。
『離婚メーター “自称”愛妻家な夫がヤバすぎる』(はたほまめ:漫画、はるのコタン:原作/KADOKAWA)は、そんな夫婦間の悩みや不満を妻の視点から描いた物語だ。
主人公・真理子は、会社員として働きながら、フリーランスの翻訳者になる夢を追う兼業主婦。真理子の夢は、努力して身につけた英語のスキルを武器に、正当に評価される環境で自由に働くこと。仕事への情熱と日々の業務のやりがいが、会社と家を休む暇なく往復する生活を支えていた。
けれど夫の孝一は、妻の努力には目もくれず、共働きなのに家事を手伝うどころか文句ばかり。「お弁当作るのが面倒な時は、サンドイッチとか簡単なものでも気にしないよ?」「干してあるワイシャツさ、なんかシワシワじゃない? アイロンかけておいてね?」。あまりにも無神経な夫の言動に、真理子は怒りと失望を次第に募らせていく。
本作の見どころは、夫婦間に生じる言葉にできない不満や誤解が少しずつ表面化していく過程が丹念に描かれているところだ。通常、日常の些細な出来事やなにげない言動の積み重なりによるすれ違いは、主観的な視点ではなかなか気づけないことも多い。本作では、そんな小さな不満やストレスの度合いが「離婚メーター」の数値として可視化されているため、夫婦関係の危うさや感情の変化が一見してわかるのが特徴だ。
読後は、夫婦関係とは一方の奉仕ではなく、双方の理解と思いやりによって成り立つものなのだと改めて実感させられる。自分の家庭やパートナーとの関係について見つめ直しながら読んでほしい一冊だ。
