子育てでメンタルはボロボロ。でも「周りから幸せに見られるために」SNSを更新し続ける女性【著者インタビュー】
公開日:2026/1/28

仲良くなれるはずだったママ友同士が、ふとしたきっかけでギスギスした間柄に転落していく。そんな、女性同士の複雑な感情の変化を描いた漫画が『私はあのママ友より幸せだと思っていたのに』(すやすや子/KADOKAWA)だ。
主人公のサヤカはイケメンの夫、9歳の娘、生まれてすぐの息子との4人暮らしだ。おしゃれに気を遣い、美男美女夫婦として憧れられるサヤカ夫婦。そんなサヤカ家族のもとに、同じマンションに引っ越してきたエミ家族が挨拶にくる。
「絵に描いたような素敵な家族」サヤカたちを見て憧れを抱くエミ。しかし実際は、サヤカは夫の不倫やモラハラに苦しめられ、終わりの見えないワンオペ育児にも疲弊し、産後うつ気味であった。
一方、エミは娘と夫との3人暮らしで家庭も円満。しかし、第二子の不妊治療がうまくいかずに苦しんでいた。
サヤカはエミへ、エミはサヤカへ。互いに羨ましい思いを募らせていく。やがて、ある事件が引き金となりふたりの関係は泥沼化。さらに、サヤカのキラキラした一面も崩れ落ちていき…。
「羨望」「妬み」「優越感」女性が抱えるじっとりとした感情を描く本作は、どのようにして生まれたのか? コミックエッセイ『毎日全力、たまーにズボラなすや子さんち』でも知られる著者のすやすや子さんに、お話を伺った。
――サヤカはたとえ心身ともにボロボロであっても、SNSへのキラキラ投稿を欠かしません。彼女がSNSにハマる心情を描くにあたり、参考にしたものはあるのでしょうか?
すやすや子さん(以下、すや子):これはわたしの経験からの描写です。
産後でボロボロだったけれど、子どもの1歳のお祝いに家を飾り付けたり、その時だけブランドものの服を着せたりして、気合を入れた1枚を撮影してはSNSに載せていました。執筆中は、当時の写真を見返したりしましたね。今は本人が喜んでくれればいいか!くらいの力の入れ方です(笑)。
――サヤカは夫が不倫していることに気づいているのに、見て見ぬふりをしていますよね。これも彼女の心情と深く結びついているのでしょうか。
すや子:サヤカは周りからの視線をすごく気にするタイプなんです。だから、「あそこの夫婦仲悪いらしいよ」と思われるのが嫌。離婚なんて尚更です。
自分が我慢しておけば誰にも気づかれない。彼女にとっては「周りから幸せそうに見える」ことがなにより大切なんです
――なるほど。嫌なことがあったら誰かに聞いてもらいたくなるタイプの女性ではないんですね。
すや子:愚痴を言えない人のほうが、家庭が上手くいってなかったりすることもありますよね。おしどり夫婦と言われていたような意外なカップルが離婚したり。
自分の弱みを人にさらけ出せない環境だと、ストレスを溜めがちで大変なのかなと思います。
取材・文=原智香
