「赤ちゃんの泣き声を聞くとうらやましくてたまらない」不妊に悩む女性の心情【著者インタビュー】
公開日:2026/1/30

仲良くなれるはずだったママ友同士が、ふとしたきっかけでギスギスした間柄に転落していく。そんな、女性同士の複雑な感情の変化を描いた漫画が『私はあのママ友より幸せだと思っていたのに』(すやすや子/KADOKAWA)だ。
主人公のサヤカはイケメンの夫、9歳の娘、生まれてすぐの息子との4人暮らしだ。おしゃれに気を遣い、美男美女夫婦として憧れられるサヤカ夫婦。そんなサヤカ家族のもとに、同じマンションに引っ越してきたエミ家族が挨拶にくる。
「絵に描いたような素敵な家族」サヤカたちを見て憧れを抱くエミ。しかし実際は、サヤカは夫の不倫やモラハラに苦しめられ、終わりの見えないワンオペ育児にも疲弊し、産後うつ気味であった。
一方、エミは娘と夫との3人暮らしで家庭も円満。しかし、第二子の不妊治療がうまくいかずに苦しんでいた。
サヤカはエミへ、エミはサヤカへ。互いに羨ましい思いを募らせていく。やがて、ある事件が引き金となりふたりの関係は泥沼化。さらに、サヤカのキラキラした一面も崩れ落ちていき…。
「羨望」「妬み」「優越感」女性が抱えるじっとりとした感情を描く本作は、どのようにして生まれたのか? コミックエッセイ『毎日全力、たまーにズボラなすや子さんち』でも知られる著者のすやすや子さんに、お話を伺った。
――家庭円満なエミですが、彼女は第二子の不妊に悩んでいます。不妊は非常にデリケートなテーマですが、不妊の悩みを描く決め手はなんだったのでしょうか。
すやすや子さん(以下、すや子):私も不妊治療の経験があったため、テーマに選びました。
不妊治療は、頑張ったからといって必ず子どもを授かるわけではなく…。私は結果的に授かることができましたが、そこまでには辛い経験もたくさんあったため、その時の気持ちを描けたらいいなと思い選びました。
――エミの「うらやましくてたまらない気持ちになる」は、とても印象的なセリフでした。これもご自身の体験から生まれたものでしょうか?
すや子:そうですね。不妊治療中は、芸能人の出産ニュースを見たり、友達から妊娠の報告を受けたりすると、辛い気持ちになっていました。
エミの場合は「第一子がいるからいいじゃん」と思われるかもしれませんが、それでも辛いものは辛いですから。
エミは本当に子どもが大好きだから、こういう切実な感情になったんじゃないだろうか、と想像を巡らせて描いていました。
取材・文=原智香
