妹ばかりを甘やかす母親にモヤモヤ… きょうだい間での接し方の違いで子どもを傷つけないために意識したいこと【著者インタビュー】

マンガ

公開日:2026/2/3

 大切なモノを何でも奪っていく。そんな人間が家族の中にいるとしたら――『世界で一番嫌いな女』(ただっち/KADOKAWA)は、妹と姉の確執を描く衝撃のセミフィクションだ。

 26歳OL・エリは、学生時代から付き合っている彼にプロポーズされ、大きな幸せを感じる一方で、同時に胸の内に拭えない不安を抱えていた。原因は妹のまりあ。幼いころから姉を羨ましがってきたまりあは、事あるごとに姉のモノや人を奪ってきた。妹との関係に辟易していたエリは、できるだけ距離を保ってきたが、彼を連れて実家を訪れたその日、紹介するつもりのなかった妹と鉢合わせてしまい……。

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 怒涛の展開から目が離せないだけでなく、姉から妹、妹から姉という相互の腑に落ちない感情がリアルだと話題沸騰中の本作。こじれすぎた姉妹関係を描き出すこの物語は、どのように生まれたのか。作者のただっちさんに、創作の裏側について伺った。

――本作は、姉が妹へ、妹が姉へ感じるモヤモヤがリアルに描き出され、大きな反響を呼んでいます。印象に残っている読者の声を教えてください。

ただっちさん(以下、ただっち):一番びっくりしたのは、母親目線の感想で、「顔が可愛いほうを贔屓したくなるのは仕方ない」というものでした。私は子どもがいないのでその感情はわからないのですが、もしそう感じることがあったとしても、子どもたちに気付かれないようにしてほしいなと思います。でも、子どもはきっとどこかで気付いてしまうんですよね……。また、「きょうだい間で差別されて育ってきて、その苦しみを繰り返したくないから、子どもは1人しか産まないと決めている」というレビューも拝見しました。

――姉妹関係がこじれるのは、親からそれぞれへの接し方に大きな原因があるように感じます。本作では、特に、母親の姉への接し方と、妹への接し方の差が、姉妹間のトラブルを招いているように感じました。たとえば、母親は、妹・まりあの給料が少ないからといって、まりあが実家に帰ってくるたび余っている日用品を渡すなど、まりあを甘やかしがちです。姉・エリにはそんなことはしたことがないのに……。どうして母親は、まりあばかりを甘やかしてしまったのでしょうか。

ただっち:素直に甘えてくるまりあを、いつまでも子ども扱いしているからだと思います。甘えてくれることも、やれやれとは言いながらも嬉しいと思っているため、共依存のような関係になっています。

――親として子どもたちにどうやって接したら、エリとまりあのような姉妹関係にならずに済むと思いますか? 姉妹関係に腑に落ちない感情を抱いた経験のある当事者としてのご意見を伺いたいです。

ただっち:まだ子育てをしたことがないので、当事者として理想を語るだけになりますが、「比べない」「役割を固定しない」「丁寧に関わる」の三つが大切かなと思います。たとえば、トラブルが起きたときに「お姉ちゃんなんだから」と説教するのではなく、年齢差関係なくお互いの気持ちを分けて聞き、悪者を作らず、「どうしたら次に上手く行くか」を一緒に考えるとモヤモヤが残らず、前向きになれるかもしれません。とはいえ幼少期を思い出すと、そんな余裕はないくらい妹が癇癪を起こしていたので、育児って理想論ではどうにもならないんだなぁ、とも実感しますが……。

取材・文=アサトーミナミ

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