目を離した一瞬の間に… 現役小児科医に聞いた、浴室での事故を防ぐために注意すべきこと【監修者インタビュー】
公開日:2026/2/1

ブラック企業の過酷な業務で命を落とした23歳の和史は、成人男性の心を持ったまま赤ちゃん・エミに転生。やさしい両親のもとに生まれたものの、赤ちゃんの体は思い通りに動かせず、言葉も話せない。はじめて寝返りをうつだけでも、相当のがんばりが必要で…。もしかしたら、生まれたばかりの赤ちゃんはかなりブラックな環境にいるのでは――!?
すこしずつ成長する赤ちゃんのかわいらしさが微笑ましい反面、試行錯誤する和史の心の声や、和史が生前出会った人物との意外な展開に笑える漫画『赤ちゃんに転生した話』(茶々京色/KADOKAWA)。医療従事者でもある作者の茶々京色さんによって、赤ちゃんの発達段階や子育て中の安全対策などがこまやかに描かれているのも本作の魅力。エミに癒やされながら、わかりやすくて勉強になると話題です。
本稿では、監修を務めた現役小児科医のDr.しばさんに、最新巻『赤ちゃんに転生した話4』の魅力や赤ちゃんを安全に見守るコツなどを聞きました。
――最新の4巻では、赤ちゃんであるエミが「通称:首浮き輪」を着用し、水を飲んでしまうという場面が描かれていました。エミは怖かっただろうなと心配になってしまいました。
Dr.しばさん(以下、Dr.しば):あの場面を読んで、「ドキッとした」という方は多いのではないかと思いました。漫画としてはテンポよく描かれていますが、医師の立場から見ると「起こり得るヒヤリとした瞬間」がとてもリアルに表現されていると感じました。
首浮き輪自体が必ずしも危険、というわけではありません。首浮き輪をしている状態で、一瞬でも目を離すのが危険なのです。赤ちゃんは首の据わりや体幹の安定性に個人差があり、少し体勢が崩れるだけでも顔が水に近づいてしまいます。また、赤ちゃん自身が「苦しい」「怖い」と言葉で伝えられない点も、大人が想像以上に注意深く見守る必要がある理由だと思います。
――注意深く…ですね。勉強になります。そんな責任を伴いつつも、赤ちゃんとのお風呂は貴重な時間。おすすめの楽しみ方はありますか?
Dr.しば:お風呂は、清潔を保つためだけの時間ではなく、赤ちゃんと一対一で向き合える貴重な時間でもあります。むずかしいことをしなくても、「今日はあったかいね」「気持ちいいね」と声をかけたり、体を洗いながらゆっくり触れ合うだけで、赤ちゃんにとっては十分な刺激になります。毎日完璧にやろうとせず、「今日はバタバタだから短め」「今日は少し余裕があるからゆっくり」くらいの気持ちでいいと思います。
※通称“首浮き輪”は、イギリスで開発されたプレスイミングのために使用するスポーツ用品。使用中は決して目を離さないよう、メーカーが強く注意喚起しています。診療行為が必要な場合は必ず医療機関を受診の上で主治医もしくは助産師の指導に従ってください。また発達について気になることがあったら医師に相談しましょう。
取材・文=吉田あき

Dr.しば
小児科専門医。小児科医として10年以上の実績を持つ。小さなお子さんのいるご家庭向けのお役立ち情報をSNSで発信中。(https://x.com/Shiba_kids)
