子育てで頑張りすぎてヘトヘトになったら… もっと親が「疲れている」「助けてほしい」と言える社会に。現役小児科医が感じていること【監修者インタビュー】

マンガ

公開日:2026/2/5

 ブラック企業の過酷な業務で命を落とした23歳の和史は、成人男性の心を持ったまま赤ちゃん・エミに転生。やさしい両親のもとに生まれたものの、赤ちゃんの体は思い通りに動かせず、言葉も話せない。はじめて寝返りをうつだけでも、相当のがんばりが必要で…。もしかしたら、生まれたばかりの赤ちゃんはかなりブラックな環境にいるのでは――!?

 すこしずつ成長する赤ちゃんのかわいらしさが微笑ましい反面、試行錯誤する和史の心の声や、和史が生前出会った人物との意外な展開に笑える漫画『赤ちゃんに転生した話』(茶々京色/KADOKAWA)。医療従事者でもある作者の茶々京色さんによって、赤ちゃんの発達段階や子育て中の安全対策などがこまやかに描かれているのも本作の魅力。エミに癒やされながら、わかりやすくて勉強になると話題です。

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 本稿では、監修を務めた現役小児科医のDr.しばさんに、最新巻『赤ちゃんに転生した話4』の魅力や赤ちゃんを安全に見守るコツなどを聞きました。

――3巻では、4カ月のエミが、ママに連れられて児童館に行き、わこちゃんという友達のような存在ができました。3歳になれば保育園や幼稚園に通う子が多くなりますが、0歳児が同世代の子どもと接することのいい影響はあるのでしょうか。

Dr.しばさん(以下、Dr.しば):0歳のうちから同年代の子と過ごすことは、「社会性を身につける」というよりも、「いろんな刺激を受ける」という意味合いが大きいと思います。泣き声や動きに反応するだけでも、赤ちゃんにとっては十分な経験です。また、児童館は親御さんにとっても「ひとりじゃない」と感じられる場所。誰かと少し話すだけで、気持ちが軽くなることもあります。制度や支援は少しずつ良くなっていますが、「親が休んでいい」ともっと堂々と言える社会になってほしい、と感じています。

――おっしゃる通り、子育て家庭を取り巻く環境はまだまだ伸びしろがありそうです。

Dr.しば:まだ「親が頑張る前提」の場面が多いように思います。体調が悪くても休みにくい、頼れる人がいないと詰んでしまう、そういった状況は今も珍しくありません。もっと、「疲れていると言っていい」「助けを求めていい」空気が当たり前になってほしいと思います。制度やサービスだけでなく、周囲の目や言葉も含めて、親が追い込まれにくい社会になっていくことが大切だと感じています。

 小児科医としては、病気やケガだけでなく、「ちょっと不安」「誰かに聞いてほしい」という段階で気軽に相談できる場所が、もっと増えてほしいですね。子育てをひとりや一家庭で抱え込まなくていい、そんな社会に少しずつ近づいていけたらと思っています。

――児童館のように、子育てを頑張るママやパパにとっておすすめの息抜き方法があれば、教えていただきたいです。

Dr.しば:児童館のように、誰かと同じ空間で過ごせる場所は、それだけで大きな息抜きになりますよね。それ以外で言うと、「特別なことをしなくていい息抜き」を持っておくのがおすすめだと思っています。例えば、子どもが寝たあとに温かい飲み物をゆっくり飲む、好きな音楽を1曲だけ聴く、スマホを見ずに数分ぼーっとする。ほんの短い時間でも、「自分のためだけの時間」があると、気持ちはずいぶん違ってきます。

 また、誰かに「今日は大変だった」と話すことも立派な息抜きです。解決策が出なくても、「わかるよ」と言ってもらえるだけで、心が軽くなることは多いと思います。息抜きは上手にやろうとしなくていい、できる範囲でいい、ということをぜひ伝えたいです。

取材・文=吉田あき

※診療行為が必要な場合は必ず医療機関を受診の上で主治医もしくは助産師の指導に従ってください。また発達について気になることがあったら医師に相談しましょう。

Dr.しば
小児科専門医。小児科医として10年以上の実績を持つ。小さなお子さんのいるご家庭向けのお役立ち情報をSNSで発信中。(https://x.com/Shiba_kids

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