妻をないがしろにするDV男の生態、サレ妻漫画作者はどう見ている?【著者インタビュー】
公開日:2026/2/3

数多くあるサレ妻作品のなかでも、サレ妻×異世界という組み合わせがユニークな漫画『異世界転生したサレ妻ですがクズ夫を捨てて幸せを掴むことにしました』(綾束乙:原作、酒井美羽:漫画/KADOKAWA)。作画を手がけたのは、『酒井美羽の少女まんが戦記』(酒井美羽/秋田書店)でも話題の恋愛漫画の名手・酒井美羽先生だ。
物語は、ヒロインが転生した先の世界でもクズ夫と夫婦になって虐げられてしまう、という過酷な設定。そんな彼女の前に現れたのは、夫とは対照的にやさしく紳士的な青年魔術師エルヴァンだった。エルヴァンから魔術指導とともに愛情をうけ、クズ夫と対決するヒロインだったが…。
先が気になる展開に美麗かつ胸キュンな演出が加わり、サレ妻作品好きにも少女漫画好きにも注目される本作。苦難の末に自立して幸せになるヒロインを描ききった酒井先生に、作画や演出に込めた想いやこだわりを伺った。
——クズ夫の勝登(かつと)は、車のスピードを出しすぎて事故にあい、妻の美奈絵と一緒に転生します。何の因果なのかふたりは転生先でも夫婦に…。勝登は暴力や浮気だけではなく、母親たちと一緒に妻をいじめるという最悪の人物です。
酒井美羽先生(以下、酒井):体は丈夫そうなのに妻をかばってくれないマザコン気味の男性ですね。人怖エピソードなどを観ていると、妻に逃げられそうになる夫って「母親を大事にするのは当たり前だろ」などと言う。それで妻をないがしろにするのは違うんだよな…と思うのですが(笑)。
ルミナエ(転生後の美奈絵)と恋仲になるエルヴァンとは対照的に見せるため、四角くて、いけすかない感じに描きました。
——これまでにも暴力を振るうような男性キャラクターを描くことはありましたか?
酒井:ヒロインの相手役にオラオラ系を描くことは多かったですが、暴力は振るわない俺様タイプです。今だったらコンプライアンスにひっかかりそうな、“俺についてくればいいんだよ”みたいな…。過去作を読み返すとちょっとヒヤヒヤして、こんな男は嫌かもなって思うこともあります(笑)。
——ちょっと悪いくらいはいいですが、暴力はいけないですよね。
酒井:そうそう。本当に、天罰がくだってほしいですよね。うちの父も私が子どもの頃、いわゆる“星一徹タイプ”でした。食卓がいつもすっ飛んでいっちゃう。晩御飯が目の前からなくなったと思ったら、次に兄がぶっ飛ばされている。でも、次第におとなしい人になりました。
——そんな経験をされていたら余計に、暴力に嫌気が差しそうですね。
酒井:暴力は最低だと思っています。身近にそんな父親がいたからか、じつは今でも、男性のうち半分くらいは暴力を振るう人がいるんじゃなかろうか…とも心配していますね。
取材・文=吉田あき
