サレ妻と王子様のラブシーンは奥ゆかしく。控えめだけど気持ちが高まる仕上がりはK-POPをお手本に【著者インタビュー】

マンガ

公開日:2026/2/7

 数多くあるサレ妻作品のなかでも、サレ妻×異世界という組み合わせがユニークな漫画『異世界転生したサレ妻ですがクズ夫を捨てて幸せを掴むことにしました』(綾束乙:原作、酒井美羽:漫画/KADOKAWA)。作画を手がけたのは、『酒井美羽の少女まんが戦記』(酒井美羽/秋田書店)でも話題の恋愛漫画の名手・酒井美羽先生だ。

 物語は、ヒロインが転生した先の世界でもクズ夫と夫婦になって虐げられてしまう、という過酷な設定。そんな彼女の前に現れたのは、夫とは対照的にやさしく紳士的な青年魔術師エルヴァンだった。エルヴァンから魔術指導とともに愛情をうけ、クズ夫と対決するヒロインだったが…。

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 先が気になる展開に美麗かつ胸キュンな演出が加わり、サレ妻作品好きにも少女漫画好きにも注目される本作。苦難の末に自立して幸せになるヒロインを描ききった酒井先生に、作画や演出に込めた想いやこだわりを伺った。

——ルミナエはエルヴァンから魔術を習い、ふたりは師匠と弟子のような関係に。その中でも抑えきれない想いをぶつけ合いますね。

酒井美羽先生(以下、酒井):夫から暴力を振るわれて倒れているルミナエの部屋に、窓の外からエルヴァンが入っていったあとの場面は、原作にはなかったシーンです。

 卑屈になっているルミナエをエルヴァンが説得して、行為をしたかな…? していないかな…? という場面ですね(笑)。いや、ここまで盛り上がったらするよね、と。

 着ていた服がそこらへ脱ぎ散らかしてあるのは、そういうときは服なんて畳まないだろうから。邪な気持ちでがんばって描きました。

——ふたりの気持ちの盛り上がりが見どころですね。

酒井:服を脱ぎ散らかしてはいますけど、全部脱ぐのではなく肌を隠せるように少し衣服を纏っています。暗めのトーンを貼り、ライトも暗転させて。少し隠れていたり、すべてが見えないような演出も、K-POPを見習いました。

——たしかに、この場面のグイグイしない感じもエルヴァンらしいですね。

酒井:この場面で結ばれてからも、ふたりはずっと敬語のままですし、変にベタベタしていない。馴れ合わない感じが日本の武士みたいでいいですよね。

取材・文=吉田あき

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