「小1の壁」どう乗り切る? 不安を抱える子どもが前向きになる声かけとは? 小学校入学前に読んでおきたい1冊【書評】

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公開日:2026/2/10

子どもが小1になったら知りたいことが全部のってる本
子どもが小1になったら知りたいことが全部のってる本(佐々木陽子:監修/主婦の友社)

 先輩ママからよく耳にしていた「小1の壁」。子どもが年長になると、親同士の何気ない会話の中でも、この言葉を聞く機会がぐっと増えてきました。朝の生活リズム、下校時間の早さ、宿題、人間関係……。気になることは次々と思い浮かぶけれど、何がどれほど大変なのかは、はっきりとは見えてこない。ただ「大変らしい」「覚悟したほうがいいらしい」という空気だけが積み重なり、「とにかく不安」でした。

 小学校に上がる前に準備をしなきゃと思いつつ、何もできていない焦りを感じていた時に出会ったのが、『子どもが小1になったら知りたいことが全部のってる本』(佐々木陽子:監修/主婦の友社)です。本書は、小学1年生の1年間を「はじめて」の連続として捉え、小学校入学にともない、知っておきたい大切なことをまとめた1冊です。

「小1の壁」の正体が見えると、不安は整理できる

 本書では、入学前に準備しておきたいことから、小1の学校生活、学習や人間関係、さらには親の働き方にいたるまで、「知っておきたいこと」「やっておきたいこと」が整理されています。現役の小学校教師が監修を務め、最新の小学校事情が反映されているという点も心強い!

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 特に印象に残ったのが、「1年生になる準備をしよう」のパートです。園生活からガラッと変わる小学生の生活。本当に大丈夫なのだろうか……と不安はあるのに、具体的に何を、どこまで準備すればいいのかが分からずにいました。

その中で紹介されているのが、
・どんな身支度が自分でできるとよいのか
・座って話を聞く習慣づくり
・気持ちと行動を切り替えるための声かけや関わり方
など、小1に必要な力が具体的に書かれています。

「これならできそう」「これはぜひやってみたい」と思える内容ばかりで、入学前の準備が現実的にイメージできるようになりました。

 そして、「こんなことも大事なのか!」とハッとしたのが、登下校時の“もしも”を想定したシミュレーションです。もし道を聞かれたら? トイレに行きたくなったら? 大人なら判断できることでも、子どもにとっては難しい場面はたくさんあります。

 だからこそ、もしもの時に困らないように、入学前から親子で話し合い、シミュレーションしておくことが大切なのだと気づかされました。

小1の壁は、声かけひとつで低くできる

「準備の大切さ」を知ったことで、実際に子どもとのコミュニケーションにも取り入れてみました。まずひとつは、子どもが小学校に不安を口にした時の声かけです。うちの子は、初めての環境に不安を感じやすいタイプで、「小学生になりたくない」と言うことが増えていました。

 そこで、「ワクワクが高まる声かけ」として紹介されていた、私自身の小学校時代の話をしてみることに。友だちと遊んだ思い出や、小学校の行事のことなど楽しかった話をすると、「僕もママみたいに〇〇する!」と、これまでになかった前向きな言葉が返ってきて驚きました。小学校を“よく分からない場所”から、“少し想像できる場所”に変えられたのかもしれません。

 もうひとつ試してみたのが、勉強をサポートする時の声かけです。これまでは「早くして!」「時間ないよ!」とつい急かしてしまい、親子でイライラすることもありました。本書で紹介されていた「何時からやる?」「どれからやる?」という声かけに変えてみると、驚くほどスムーズに取りかかれる日が増えました。

 こちらの言葉ひとつで、子どもの気持ちも、家庭の空気も変わる。小1の壁は、親の関わり方次第で低くできるのだと実感した出来事でした。

「不安で立ち止まっていた気持ち」に、変化をくれた1冊

「とにかく不安」だった小学校入学が、「少しずつ準備できそう」に変わった。それだけでも、この本に出会えてよかったと思えました。「小1の壁」を前に立ち止まっているママやパパに、ぜひ手に取ってほしい1冊です。

文=ネゴト / いなり

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