身の回りの“穴”に指を入れる遊びにハマる友人。なぜか意識してしまい……。中学生のボーイズラブ『最近、友だちが変かもしれない。』1巻【書評】

マンガ

公開日:2026/2/5

最近、友だちが変かもしれない。
最近、友だちが変かもしれない。 (伊田いつき / 白泉社)

 花とゆめ編集部がおくるweb BL誌「Trifle by 花とゆめ」で大好評連載中の『最近、友だちが変かもしれない。』(伊田いつき)の単行本第1巻が発売された。本来であれば4話完結の予定だったところ、読者からの声によって続編と紙の単行本化が決定したという人気ぶりだ。

“穴に指を入れる”遊びにハマる同級生を意識してしまい……

 物語の主人公は、中学2年生の西倫也。彼の幼い頃からの友達であり、同級生の瀬戸はちょっと“変”である。

 小学生の頃から変わらず変な遊びばかり思いついて西にちょっかいをかけてくる瀬戸と比べて、西は年頃の男子らしく性的なことに敏感で、瀬戸の“穴に指を入れる”という遊びも「性的な挿入」と想像し赤面。それどころか、夢にまで瀬戸が登場し、西は夢精をして起床する始末。西は、瀬戸と違って頭の中がピンクだらけの自分に落ち込んでしまう。そして、次第に瀬戸を避けるように。

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 西の思考や行動はすごく等身大で、瀬戸のちょっとした仕草や身体の成長に敏感に反応してはドキドキしてしまうのも、思春期特有の眩しさがある。そんな青春時代を遠く懐かしく感じる世代からすると、読んでいるだけで心が洗われるようだ。そして、瀬戸のミステリアスで、何を考えているのかわからない感じもまた良い。自分の行動で一喜一憂する西を見ながら、どうしたんだろうとピュアに首をかしげる瀬戸に思わず「お前のせいだよ!」とツッコみたくなってしまう。

中学生男子ふたりのもどかしくも初々しい恋物語

 瀬戸に恋をしたことを自覚した西。西に対してあくまで友達として接する(とはいえ距離は近い)瀬戸。中学2年生という、心も身体も未成熟で個人差がある時期だからこそ、二人はすれ違う。瀬戸は恋愛感情がまだ理解できていないから、今まで通りに西に接する。しかし、それは恋心を抱く西にとっては、瀬戸が思っているよりもずっと大きな意味がある。はぐれないようにお祭りで手をつないだり、西が望む通りに口にキスをしたり、それを恋愛感情がないと言いながらしてしまう瀬戸は、ある意味残酷だ。そして、そんな瀬戸の態度に西が何も思わないはずもなく……次第に二人の間には溝が生まれていく。

 とはいえ、物語を読んでいれば、誰もが瀬戸も西に対して何かしら特別な感情があることはわかるものだ。それが恋愛感情なのか、友達として特別に好きなのか、それは本人もわかっていないようだが、動揺して赤面する西に対していつもまんざらでもない表情をするのだ。変な遊びをするときだって、いつも隣には西がいて付き合ってくれる。西の様子がおかしければ、心配をして家にまで呼ぶ。まだ心は成長中の瀬戸だけど、そんな彼にとって西は明らかに友達以上の何かではあるのだ。

 二人のもどかしくも初々しい恋模様は、続編でゆっくりと進んでいく。これからも彼らの行く末を見守ることができることに感謝しながら、まずは発売される1巻を読んで、二人の青春の一幕をじっくりと味わいたい。

文=園田もなか

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