王太子からの理不尽な離縁。能力を搾取され、捨てられた妃の逆転劇。最新巻でも執事からの一途な溺愛が止まらない…!【書評】

マンガ

PR 公開日:2026/2/7

捨てられた妃 めでたく離縁が成立したので出ていったら、竜国の王太子からの溺愛が待っていました
捨てられた妃 めでたく離縁が成立したので出ていったら、竜国の王太子からの溺愛が待っていました(紅月りと。:作画、里海慧:原作/スターツ出版)

 生きていると、人に振り回されたり、理不尽な扱いを受けたりすることもある。でもそういうときこそ、自分をしっかり持ってやるべきことに注力すると、案外道が開けたりするものだ。そして、そんな状況でも誰かひとりでも絶対的な味方がいて支えてくれたら、人は案外立ち続けることができるものなのかもしれない。

捨てられた妃 めでたく離縁が成立したので出ていったら、竜国の王太子からの溺愛が待っていました』(紅月りと。:作画、里海慧:原作/スターツ出版)は、不運にも王命で第一王太子と婚約させられたにもかかわらず、一度も愛されずに放置され続けた女性が、一途な執事に支えられながら幸せを勝ち取っていく異世界恋愛ファンタジー。

「ざまぁ」あり、溺愛ありの充実したストーリー展開でファンを魅了し続けている。そんな本作のコミック版第3巻が、先日2025年12月26日に発売された。帯にある「お嬢様、愛される覚悟はよろしいですか?」の言葉が、物語の展開を期待させてくれる。

本作品を試し読み

魔道具開発の実力を見込まれ王太子と結婚。しかし――!?

 本作品の主人公は、魔石の採掘と魔道具開発が盛んなスレイド伯爵家の娘として生まれ育った女性ロザリア・スレイド。

 ロザリアは魔道具作りの才能を見込まれ、王命によりアステル王国の王太子ウィルバートの妃となった。しかしウィルバートは途中から別の女性・ボニータを愛し、結婚後もロザリアを大切にすることはなかった。

 そしてついにボニータが妊娠し、ロザリアは成婚時の契約に基づき離縁となる。王命であった結婚が解消されたロザリアは、自分のせいで家に圧力がかかるのを避けるため、ずっと味方でいてくれた執事アレスを連れて彼の故郷である竜人の国ラクテウス王国へ行くことに。

 なんとアレスは文献でしか知らない謎に包まれた種族「竜人」で、しかも竜王様の息子、つまり王子だったのだ。さらに、竜人には唯一無二の伴侶「番」を一生愛する習性があり、アレスにとってその番がロザリアなのだと明かされる。そしてそれを彼女に告げたアレスは、そこからロザリアを落とすべく溺愛の猛攻撃を仕掛けてきて――!?

新たな暮らしと、執事アレスの一途な溺愛

 ロザリアが王太子ウィルバートと結婚していた期間は6年、婚約時からカウントすれば10年だ。その間ロザリアは王妃となるための教育を受け、彼の分まで仕事をこなし、魔道具開発を積極的に行って国庫を潤すなど長い年月をウィルバートの伴侶として捧げてきた。それなのに、その努力がウィルバートのプライドを傷つけ離縁へと繋がってしまった現実に、彼女はどれほど失望を覚えただろう。

 でも、そんな状況でも続けてきた魔道具開発は決して無駄ではなかった。ロザリアはラクテウス王国にアレスが用意していた新居で魔道具の店をオープンし、アレスと協力しながらたちまち成果をあげていく。新居には幸運を呼ぶと言われている謎の可愛い生き物「オルビス」が住み着いていて、その子も仲間として活躍!

 もちろん、その間もアレスの求愛は止まることなく続き、事あるごとにロザリアをドキドキさせる。そんなふたりの仲睦まじい生活に、見ているこちらまで頬が緩んでしまった。番への愛は、どこまでも深く真っ直ぐだ。そして照れるロザリアも可愛い!

 一方、アステル王国では、実はとんでもなく優秀だったロザリアがいなくなった重大さがじわじわと露呈していく。婚約者であるボニータは妊娠を理由に何もせず、ロザリアの後釜として魔道具開発の指揮を任されたファンク男爵は魔道具の仕組みをろくに理解していない。おかげで執務は滞り、兵力の減少と国庫の消費も加速して――。

 国として、王太子として何を大事にすべきかを見誤り、大事な戦力を国外へ追いやってしまったウィルバート。そしてアステル王国王太子の妻としての役割から解放され、新たな場所で信頼できる相手と実力を発揮し続けるロザリア。このふたりの明暗がしっかりと描かれていて、ロザリアを無下にしたウィルバートの焦りにスカッとする。

3巻では、竜王からロザリアへ直々に依頼が――!

 だが3巻では、ロザリアとアレスのいるラクテウス王国側でもとある事件が発生する。その件を解決するため、アレスの父である竜王から直々に依頼を受けたロザリア。彼女は問題を解決すべく、魔道具開発に勤しみ危機的状況へと立ち向かっていく――!

 次々と気になる展開が押し寄せてくる本作。ロザリアとアレスは今後どんな活躍を見せてくれるのか、彼女の魔道具は竜王からの依頼を解決できるのか、アレスの溺愛やふたりの関係はどうなっていくのかと、引き続きあらゆる角度から目が離せない。もちろん、アステル王国側の情勢もワクワクしながら見守りたい。

 自立したヒロインの活躍や強キャラからの溺愛、ざまぁ展開が好きな人には間違いなく刺さるであろう本作。これを機に、ぜひとも美しいハイクオリティなイラストで描かれるコミックで堪能してほしい。

文=月乃雫

あわせて読みたい