初めてのアルバイトは試食販売。野球部並みの声出し、寒いバックヤードで仕込み……働くって楽じゃない!【著者インタビュー】
公開日:2026/2/14

試食販売、蕎麦屋、キャバクラ、ゲイバー、設計事務所……そしてワーキングマザーに。高校生での初アルバイトから貧乏美大生時代の変わったアルバイトまで。一風変わったお仕事遍歴を綴ったのがコミックエッセイスト・まぼさんのエッセイ『勤労ロードショー 今日も財布がさみしくて 』(まぼ/KADOKAWA)。しんどい経験や情けない失敗も隠さず綴られる一冊からは、たくさんの笑いと元気、そして「働くって楽しい!」という気持ちをもらえることまちがいなし。まぼさんに、エッセイで綴られた職業についての裏話を伺った。
――まぼさんの人生初バイトは試食販売スタッフでした。スパークリングワインの販売をしていたエピソードが描かれていますが、基本的に店舗も商品も一度きりの単発バイトだったのでしょうか?
まぼさん(以下、まぼ):はい。基本的には勤務日と勤務駅、それから商材(売る商品)が載っているメールマガジンが定期的に届いて、その中から各自やりたいものに手を挙げて、先着順で決まっていくシステムでした。商材によっては数日間行くこともあります。作品内で描いたスパークリングワインの試飲販売は12月24日と25日の2日間でした。派遣先の店舗から「この人にもう一度来てもらいたい」と言われることはほぼないですし、どの店舗に行くのかは派遣が決まらないと教えてもらえなかったです。
――他に試食販売した商品はありますか?
まぼ:パイナップル、サンドイッチ用の耳なしパン、クリームチーズ……いろいろやりました。スーパーは特にバックヤードがかなり寒いので、バックヤードで仕込みが必要な商材はしんどかった記憶があります。
さらに辛かったのが試食なしの販売促進。試食があればコミュニケーションも取りやすく、こちらも手を動かしているのでなんとなく時間は過ぎるんです。それが試食なしで声かけだけとなると……当時、野球部のマネージャーをしていて、声出しをする部員たちを眺めていたんですが、選手以上に延々と声出しをすることになりかなり辛かったです。途中「これラジカセでもいいんじゃ……?」と思っていました(笑)。
――嫌なお客さんはいましたか?
まぼ:嫌なお客さんというほどではないのですが、コミュニケーションをとってくれる方の中にはずっとお話が続く方もいて。他のお客様にもプロモーションしなくてはいけないので、そこは少し困りましたね。
取材・文=原智香
