エリートサラリーマンに人生の転機が訪れる!? 大ベストセラー「LIFE SHIFT」シリーズのコミカライズが2作同時刊行!

マンガ

公開日:2022/11/12

まんがでわかる LIFE SHIFT2 100年時代の行動戦略
まんがでわかる LIFE SHIFT2 100年時代の行動戦略』(東洋経済新報社)

 人生100年時代をどう生き抜くか!? この大きな問いに答え、長寿社会の人生戦略を論じた『LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略』はベストセラーとなり、昨年は続編となる『LIFE SHIFT2 100年時代の行動戦略』が刊行。こちらは人生100年時代の不安を解消してポジティブに生きるためのより実践的な方法を示し、前作と合わせてシリーズ累計70万部突破という大ヒットを記録した。

 そして今年11月、この『LIFE SHIFT2 100年時代の行動戦略』のコミカライズが登場。コミック版は東洋経済新報社から『まんがでわかる LIFE SHIFT2 100年時代の行動戦略』と双葉社から『マンガでわかる年収400万円からのライフシフト2』の2冊が刊行される。ここでは東洋経済新報社版を紹介したい。

 本作の主人公はグローバルに事業を展開する大企業に勤める平野大輝(35歳)。入社から12年にわたって海外を含めた転勤を何度も繰り返してきた平野だが、ついに本社勤務となってマイホームを購入、子供も来年から小学生ということで「落ち着きたい」と考えるようになっていた。ところが、会社から能力を高く評価されている平野は、新設される海外支社へ責任者としての赴任を打診されてしまう。家族をこれ以上連れ回したくないし、今さら単身赴任も厳しい。ただ、家のローンもあってお金はまだまだ必要だし、この話を断れば出世コースから外れてしまう……。答えが出ない平野は古くからの友人で銀行に勤める転勤族の凛に相談してみることに。ところが、久しぶりに会った凛は銀行を辞めていて、人生100年時代に合わせた人生設計と選択肢の多様化を説くのだった――。

advertisement

 物語は悩める平野がさまざまな“ライフシフター”と出会い、「教育→仕事→引退」という3ステージの人生から、決まったレールがなくて多様な“マルチステージ”へと歩み出す姿を描いていく。そのストーリーに『LIFE SHIFT2 100年時代の行動戦略』の重要なキーワードが組み込まれるという構成だ。

 これまでの人生で積み重ねてきた自分の価値であり、未来への選択肢となる“足場”を見つめ直すこと。人生を俯瞰でとらえて長期的な視点で考える“鳥の目型”の視点の必要性。培ってきたスキルや人間関係、精神的・肉体的な健康、新しいステージへの移行を成功させる意志といった“無形資産”の重要性。本業を助ける副業ではなく、どれもが本業である“複業”という働き方。人生の選択について“ストーリーの共有”をして家族で支え合うことの大切さ。人生の転換期を迎えた平野は、そういった新たな考え方と生き方をひとつひとつ学んでいく。自分の人生の物語を描くための探索をするようになった平野は、ついに海外転勤を断ることを決意。唯一の趣味だったレコード収集から生まれた関係を活かす、新たな道へと踏み出すのだった。

『LIFE SHIFT2 100年時代の行動戦略』のエッセンスを迷える主人公・平野の人生の物語に巧みに入れ込むことで、人生100年時代の人生戦略・行動戦略の全体像が見えてくる。また、マンガで描かれることで、より読みやすく短時間で読み通せることもメリットのひとつだ。本編『LIFE SHIFT2 100年時代の行動戦略』を読む前の予習としてもきっと役に立つ。先にマンガで概要をつかんでおけば、その理解もさらに深まることだろう。「ライフシフト」の考え方を手軽に知ることができる嬉しい一冊だ。

文=橋富政彦