今日は2月22日「猫の日」! 楽しくて心温まる日常、そして別れ…読めばさらに愛情が深まる猫コミックエッセイ3選

マンガ

公開日:2023/2/22

愛猫と暮らす毎日は、かけがえのない大切な思い出

じじ猫くらし
じじ猫くらし2』(ふじひと/KADOKAWA)

 出会って12年のおじいちゃん猫との日常を詰め込んだ『じじ猫くらし2』(ふじひと/KADOKAWA)は、年老いていく愛猫がより愛おしくなる一冊。最新刊で、作者・ふじひとさんは愛猫との春夏秋冬の過ごし方を穏やかなタッチで描いている。

 収録作の中で、個人的にニヤついてしまったのが、「猫の跡」という長編。ある日、帰宅したふじひとさんは温もりがかすかに残っている乱れたベッドやめくれているカーテン、散らばっているおもちゃなどから留守中の愛猫の行動を推測。

じじ猫くらし

 そんな“猫の跡”を愛しく思い、消すことをもったいなく感じた。

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 愛猫がどんな行動をしていたのか想像できるのは、普段から猫のことをよく見ている証拠。散らかったおもちゃなどを“猫の跡”という言葉で表現できるのは、愛猫を心から愛しているからに他ならない。ふじひとさんの着眼点や言葉選び、思考に深い猫愛を感じ、心が温かくなる。

 そして、海の動画を一緒に見た時のエピソードは猫の目に映る世界を考えるきっかけを授けてくれた。

じじ猫くらし

 日常の中で、私と愛猫はどれくらい同じ光景を見ているだろうか。自分が笑っている時、愛猫も笑顔で楽しんでいてくれるのだろうかと、猫目線の世界も考えて日常を送っていきたいと強く思わされた。

 また、わずか数キロである命の重みを改めて痛感させられるエピソードも心に染みる。

じじ猫くらし

 大切すぎて、本来ならば軽いと感じる体が無性に重く感じられた瞬間や、愛猫に心まで温められた日の記憶を私たち猫飼いは持っている。ふじひとさんの猫ライフは、そんな記憶を呼び覚まし、自分より小さな家族を一生大切に守っていこうと改めて思わせてくれるのだ。

 数えきれない「おはよう」を繰り返し、紡がれていく愛猫との日常。本作は、その重みを思い出させてくれる。