“別れのプロ”が迷惑不倫カップルに制裁!痛快なラストがクセになる『御社の不倫の件~絶対に別れさせます~』
更新日:2024/12/18

当人同士の問題だから、放っておけばいい――。そう自分に言い聞かせても、見て見ぬふりできない不倫もある。例えば、社内不倫。不倫に溺れる者たちの都合で仕事の生産性が下がったり、自分に降りかかる負担が大きくなったりすると、行き場のない苛立ちを抱えてしまう。
漫画『御社の不倫の件~絶対に別れさせます~』(樹ユウマ/DPNブックス)は、そんなモヤモヤをスカッと解決する、痛快な制裁物語だ。身勝手な不倫カップルなんて、誰かが別れさせてくれればいいのに…という密かな願いを叶える「不倫別れさせ社」の活躍から目が離せなくなる。
社内で迷惑をかけ続ける不倫カップルを「不倫別れさせ社」が制裁!
イベント会社に勤める高橋さつき(28)は上司に恵まれはしなかったが、配属された宣伝部での仕事にやりがいを感じていた。だが、安西梨々香という後輩が新たに宣伝部へ配属されたことで、充実していた日常は一変する。
安西は自ら希望して宣伝部に配属されたものの、仕事に対するやる気がなく、不真面目。人間性にも問題があり、同時期に宣伝部へ配属された三枝玲を派遣社員だからという理由で見下す始末だ。


さつきは勤務態度が悪い安西のフォローに追われ、残業を強いられるように。日常の中での楽しみだった、彼氏とのデートもままならなくなってしまう。
そんな中、さつきは帰宅時に偶然、ラブホテルから出てくる課長と安西の姿を目撃してしまった。なんとふたりは打ち合わせと偽り、甘いひと時を楽しんでいたのだ。

波風を立てたくないさつきは、ふたりが不倫関係にあることなど知らないフリをし、穏便にやり過ごそうと決意。だが、彼氏との大切な記念日デートを課長と安西の不倫旅行で潰されたことで、怒りが爆発。その時、心に寄り添い、話を聞いてくれたのは玲だった。
実は玲、「不倫別れさせ社」のボス。ある人物から依頼を受け、課長と安西を別れさせるため、ふたりに接触していたのだ。


ふたりを別れさせるため、玲は課長に急接近したり、社員を使って安西に罠を仕掛けたりと、大奮闘。玲の計算高い努力が実り、やがて、課長と安西は自身が想像もしない形で不倫の報いを受けることとなる。
周囲を巻き込み、不倫を楽しみ尽くしていたふたりに待ち受ける痛快なラスト。それを目にした時、ムカムカしていた読者の胸はスッキリとするだろう。
玲は他にも、不倫関係を楽しみ、同僚に我が子の面倒を押し付ける保険外交員や独身のフリをして社内で女漁りをする3児の父も制裁。それらのエピソードにもドロドロとした人間関係が描かれており、ページをめくる手が止まらなくなる。
クールな別れさせ担当者の玲は、神出鬼没。この先、どんな職場に潜入して不倫カップルを別れさせるのだろうか…。そして、ロックオンされたターゲットは、どこまで落ちていくのか。続きが気になる作品である。
文=古川諭香