第8回『ダイヤモンドの功罪』/鈴原希実のネガティブな性格がちょっとだけ明るくなる本
更新日:2024/10/21

「圧倒的才能」
誰だって一度は手にしてみたい称号ではないでしょうか?
でも、もしもその才能のせいで周りの人がどんどん闇に落ちていってしまったら…。
今回紹介する作品は、そんな圧倒的才能を持つ一人の少年の物語、「ダイヤモンドの功罪」
少年の名前は綾瀬川次郎。
綾瀬川はその圧倒的な才能故に、自分自身ももがき苦しみ、周りの人を知らず知らずのうちに翻弄していってしまいます。
なぜ圧倒的な才能を持っているのに苦しむ必要があるのか?と思う方もいるかもしれません。
普通才能があったら楽しいし、幸せだろうと。
ですが、それはあくまでスポーツを「本気で」やりたければの話。
綾瀬川はあくまでスポーツを「みんなで楽しく」やりたかっただけだったんです。
でも楽しくやりたいだけなのに綾瀬川は、出来すぎてしまう。
その結果、元々そのスポーツをやっていた子からは疎まれ、周囲を挫折させていき、綾瀬川は自身の目的とは裏腹にどんどん孤高の存在になっていきました。
そんな中出会ったのが、野球チーム「足立バンビーズ」
チラシのアットホームな雰囲気に惹かれ、足を運んだ綾瀬川でしたが、
そこでの監督とチームの仲睦まじい雰囲気。
そして、「野球はここにいるみんなが味方なんだよ!」という言葉を受け、
「自分の求めていたものは野球だったんだ!」と一瞬で野球の虜になります。
それからしばらくは楽しく過ごしていた綾瀬川でしたが、徐々に雲行きが怪しくなっていきます。
監督の目の色が変わってきてしまったのです。
足立バンビーズは弱小野球チーム。
試合すらまともにできる状態ではありません。
でも綾瀬川は違う。
この才能をここに眠らせておくわけにはいかない。
そう思った監督は、勝手にU-12日本代表の選考に綾瀬川の映像を送ってしまっていました。
このことを綾瀬川に告げるときの監督の顔が、人が才能に飲み込まれきった瞬間といったかんじで何とも恐ろしいです。
その後綾瀬川は反発も虚しく、U-12の選考会に足を運ぶことになり、U-12にも選ばれます。
この時点で小学校5年生なのですが、ここから物語がどんどん進んでいくことになります。
ここまでのあらすじを聞いても、綾瀬川に様々な感情を持つ方がいると思います。
皆さんが今感じている感情の通り、これから様々な登場人物が綾瀬川に色々な方向から「圧倒的才能」を浴びせられ、多種多様の歪みを見せていきます。
自分の近くにもし綾瀬川が居たら自分はどうなってしまうんだろう。
そう考えただけで少し背筋が伸びる気持ちになりますが、皆さんはどうでしょうか?