交通事故死より多い入浴中に亡くなる高齢者の数。入浴中の事故を予防する画期的な方法とは?
公開日:2024/3/15
自己紹介をさせていただくと、私は声の専門医。山王メディカルセンターの東京ボイスセンター長として、梅沢富美男さん、天童よしみさん、DAIGOさんなどのプロフェッショナルから一般のかたまで、8000人以上の「声とのど」の外来診療、リハビリ、手術をあずかってきました。
いつも不思議に思うのです。
私たちは食べ物などがのどに詰まったら命にかかわることもありますし、のどがちょっと腫れただけでも、しゃべるのも食事するのも不自由になって、もう大変です。
それなのに「健康のために、何かやっていますか?」と聞かれたとき、「足腰を鍛える」「脳トレをする」「栄養バランスを考える」などの回答はよく耳にしても、「のどを鍛えている」と答える人は、ほとんどいませんね。
のどは、「発生」「呼吸」「嚥下=食物をゴックンとのみこみ、食道から胃に送る」という、命と直結する働きだけでなく、実は「力を出す」ことや「とっさのとき、転ばないように足を踏ん張る」こととも密接にかかわっています。
のどこそ、要介護にならずに、自分のことは自分でやって生きていくカナメ。
その働きを支えるのが、のどの筋肉群です。
「のどの筋トレ」は、人生100年時代に必須のトレーニングなのです。
私はこれまで、風呂カラオケを「楽しく効果的なのどの筋トレ」として、テレビ番組などでもおすすめしてきました。
湯気の上がる温かい浴室は、のどを痛めない、理想の環境です。
本書では、新たに「10分以内」「歌い終えたらゆっくり立ちあがる」ルールを取り入れたことで、ワタナベ式風呂カラオケに、「入浴中に溺れない」という救命メリットが加わりました。
「入浴中にウトウトしてしまう」
「最近つまずきやすい」
「食事中によくムセる」
ひとつでも思い当ったら、風呂カラオケの始めどきです。
今は問題ないかたも「転ばぬ先の杖」として、ぜひ習慣にしてください。
<第2回に続く>