岡宮来夢が選んだ1冊は?「世界中の人が同じ言葉を使ったら、争いごとはなくなると信じています」
公開日:2024/5/16
※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2024年6月号からの転載になります。

毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある一冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、岡宮来夢さん。
(取材・文=野本由起 写真=TOWA)
「僕は英語を話せませんし、中国語も自己紹介ができる程度。でも、世界中の人が同じ言葉を使ったら争いごとはなくなると信じているんです。言葉ってすごく大事。ミュージカル『刀剣乱舞』でも、演出家の茅野イサムさんから『脚本家がなぜその言葉を選んだのか、接続詞ひとつにも意味がある』と指導され、言葉をより強く意識するようになりました」
そんな岡宮さんが選んだのは“ひと言では翻訳できない世界の言語”に関する本。ネット書店で見つけ、すぐに購入ボタンを押したという。
「例えばイタリア語の単語“COMMUOVERE”は、“涙ぐむような物語にふれたとき、感動して、胸が熱くなる”という意味だそう。なんて美しい言葉だろうと思いませんか? 逆に日本語にも、“わびさび”“こもれび”など簡単に訳せない言葉がある。奥深いですよね」
言葉を知ることで、その背後にある文化への関心も深まったそう。
「今ではほぼ話す人がいなくなったサンスクリット語の単語も紹介されていますが、こうした言語が失われることに危機感があります。日本の刀文化のように、なくしてはいけないものが世界にもたくさんある。そんなことに気づかされました」
小関裕太さんとのWキャストで主演を務めるミュージカル『ロミオ&ジュリエット』も、400年以上前から受け継がれる作品。強い思いでオーディションを受け、この役を掴んだ。
「僕がこの仕事を始める時、ワークショップで初めて演じたのがロミオでした。戯曲の原点ですし、一昨年、黒羽麻璃央君が演じているのを観て、僕もいつか絶対ロミオになりたいと思って。スケジュールが厳しいことはわかっていましたが、ぜひ挑戦したいと思いました」
6度目の上演となる名作ミュージカルだが、過度な気負いはない。
「ロミオは純粋なお坊ちゃん。いつも人の中心にいますが、遊びの恋に虚しさを感じています。僕なりの、親近感あるロミオを演じられたら」
古典ではあるが、現代にも通じる愛の形を描きたいと意欲を燃やす。
「当時とは価値観のギャップがありますし、僕自身、物事を冷静に俯瞰するタイプなので、ロミオのように勢いのまま愛に突っ走ることはないと思います。でも、愛、憎しみ、死への恐怖などの根源的な感情は、時代を越えて共感できるはず。令和になり、愛の形も多様化していますが、さまざまな価値観を持つ方の背中を押せる作品にできればと思います」
ヘアメイク:村田 樹 スタイリング:能城 匠 衣装協力:タキシードアトリエ ロッソネロ
ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』

原作:ウィリアム・シェイクスピア 作:ジェラール・プレスギュルヴィック 潤色・演出:小池修一郎 出演:小関裕太/岡宮来夢、吉柳咲良/奥田いろは(乃木坂46)ほか 5月16日~6月10日 東京・新国立劇場、6月22、23日 愛知・刈谷市総合文化センター 7月3日~15日 大阪・梅田芸術劇場 ●仇同士の家に生まれながら、運命的な恋に落ちたロミオとジュリエット。メガヒットミュージカルの日本オリジナルバージョン。