新入りのキジトラ猫が登場でもっとにぎやかに!大人気コミックエッセイ「黒猫ろんと暮らしたら」第6巻

マンガ

公開日:2024/7/9

黒猫ろんと暮らしたら6
黒猫ろんと暮らしたら6』(AKR/KADOKAWA)

 ある日動物病院で出会った、保護猫のろん。AKRさんは運命的なものを感じ、ろんを引き取ることを決意する。いざ猫を飼ってみると、飼い主の布団の中に潜り込んできたり、セルフお手をしておやつをねだってきたり、猫飼い初心者のAKRさんは、毎日驚くことばかり! そんな作者とろんのほっこり癒される日常を描いたコミックエッセイ『黒猫ろんと暮らしたら』(AKR/KADOKAWA)の最新刊である第6巻が発売された。最初は黒猫ろん一匹との生活だったが、いまや保護された元ノラネコ親子のまめとみたらしとにぎやかな暮らしを送っている。

『黒猫ろんと暮らしたら6』を試し読み

黒猫ろんと暮らしたら6 p72

 ろんとまめとみたらし、三者三様の性格に思わず笑ってしまうシーンも多々。相変わらず人懐こいろんと、賢いまめ、そんな二匹の間で奔放に遊びまわるみたらし。猫と暮らしたことがない身からすると、ここまで性格が違うものなのかとびっくりしてしまう。そして、そんな三匹の性格がこれほどまでに生き生きと伝わってくるのは、ひとえに著者の愛情と観察眼のたまものである。漫画を読んでいるだけでも、著者があたたかいまなざしで猫と向き合っていることがわかる。だからこそ、読んでいるとホッとするのだ。

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黒猫ろんと暮らしたら6 p46

 ちなみに今回の最新刊では、なんとさらなる新入りのキジトラ猫も登場する。

 今回から登場するキジトラの”しんば”は、もともとは実家の庭によく遊びにくる野良猫だった。ちなみに、ろんは仲良くなりたい様子だが、他の二匹は歓迎していない様子である。

黒猫ろんと暮らしたら6 p104

 ずいぶんと人懐こいその猫だったが、よく見てみると驚くほど痩せている。人慣れしていて、狩りをしているところを見たこともない。もしかすると、飼い猫だったのではないか。そう考えた著者はSNSで町内や市内の迷子猫情報を探し、警察署と保健所にも電話して迷子の届け出について聞くが、情報は見つからない。台風が接近する猛暑の中、あんな痩せた猫をそのままにしておくわけにもいかず、著者は保護することを決めたのだった。

 保護から一ヶ月経つ頃には、すっかり元気に。マイクロチップが入っておらず、去勢もされていないことから、飼い猫の可能性はごくわずか。著者の弟が里親として立候補し、その後正式に飼うことになるのだった。先住猫たちとはまた違った、個性豊かな新入りくんの名前は“しんば”に決定した。すぐにみんな仲良し、とはいかないので、これから少しずつ仲を深めていくしかない。弟が飼っているむーちゃんは性格がちょっと気難しいので、むーちゃんと仲良くなれなかった場合は、そのまま実家でまめ&みたらしと同居予定だ。

黒猫ろんと暮らしたら6 p115

 果たして、今後しんばは他の猫たちと打ち解けられるのだろうか。また一匹仲間が増えたことで、著者の暮らしはさらににぎやかになった。エッセイマンガはもちろん、随所に挟まる猫たちの写真にも癒される。漫画で読んでいてよく知っているせいだろうか、毎回見るたびに思わず「あ、本物のろんだ!」とまるで芸能人に会ったかのような気持ちの高ぶりがある。他の猫を見たときよりも、なんだか表情豊かで、気持ちが伝わってくるような気がする。著者が見ている世界を、自分ものぞき見たような気持ちになるのだ。これからも著者と一緒に、猫たちの生活を見守りたいと改めて感じる最新刊だった。

文=園田もなか

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