※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2024年8月号からの転載です。

　毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある一冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、加藤史帆さん。

（取材・文＝松井美緒　写真＝TOWA）

『進撃の巨人』に加藤さんが「どハマり」したのは、18歳のとき。日向坂46のキャプテン・佐々木久美さんに薦められ、手に取った。

「膨大な伏線と深すぎるストーリーに圧倒されて、作者の諫山さんだけが持っている“記憶”なんじゃないかと思ったくらいです」

　ミカサのコスプレをブログで披露したこともある。

「一時期、本気でアッカーマン一族になりたくて（笑）。エレンも大好きです。メンバーと“地鳴らし”ごっこをしたり（笑）。すべてを一人で抱えて、世界の未来のために辛い決断をする彼の姿は切なかったですね」

　最終巻は購入したものの、衝撃に耐えられる自信がなかった。

「1週間くらい薄目でパラパラめくって心を慣らして……。ようやく意を決して読んだら、『エレン、お疲れ様』と泣いてしまいました。ミカサの彼を想う気持ちにも胸が痛くなりました。人類の争いと愛について、考えさせられるラストです」

　改めて、自身の人生にとってかけがえのないマンガだと感じる。

「これから何度でも読み返したい。自分に子どもができたら、絶対に読んでほしいと思います。『進撃の巨人』の英才教育をしたいです（笑）」

　加藤さんは、MBSドラマ特区『彩香ちゃんは弘子先輩に恋してる』で連続ドラマ初主演を務める。原作は同名タイトルの人気ガールズラブ・コミック。加藤さん演じる彩香は、同じ職場の弘子先輩が大好きで、日々積極的にアピールする。

「思わず笑ってしまう面白いシーンがたくさんあります。コメディーと恋のドキドキのギャップを、きちんとお見せできたらと思います」

　彩香は、自分と重なるところが多いと言う。

「先輩に恋する前の彩香ちゃんは、鉄仮面と呼ばれるくらいぶっきらぼうな子でした。私も昔は笑顔が苦手で、基本、真顔。怒っていると勘違いされたりもして。アイドルになって、変わることができました。とにかくピュアで一生懸命な彩香ちゃんを、原作のイメージを大切にしながら演じたいです」

　弘子先輩役を務めるダブル主演の森カンナさんとは、息がぴったり。

「すごく優しくて、私の変な発言にも丁寧にツッコんでくださいます（笑）。弘子先輩がカンナさんで本当に嬉しい。コミカルなガールズラブなので、幅広い方に楽しんでいただけると思いますし、みなさんに元気になっていただける作品です」

ヘアメイク：Mao（MAXSTAR）　スタイリング：北村おりの　衣装協力：ワンピース（RANDA）、イヤリング、ブレスレット（共にrare632）

MBS ドラマ特区『彩香ちゃんは弘子先輩に恋してる』